『あたりまえのぜひたく 五』きくち正太
親子丼といえば鳥と卵。今回の親子は鮭といくら。
毎日書いているような気がするけれど、本当にすっかり秋だ。完全に秋が来た。一ヶ月前には35度超えの日々に暑い暑いと言っていたのに、今週は最高気温でも25度を下回る。まあ9月もそろそろ終わりなので当たり前といえば当たり前なのだが、あまりにも一気に気温が落ちたので心と体がついていけていない。
都民にもgoto解禁となり、タイミング良く秋の料理の多いこの本を読んでいたら北海道に行きたくなってきた。秋の北海道は何を食べても「何だこれ!」レベルで全てが美味しい。作り方を聞くと「焼いただけ」とか「蒸しただけ」だというので、あれはきっと土地のもたらす大地の恵みの味以外の何物でもないと思う。いくら=北海道、鮭=北海道と頭が勝手に結びつけていくので、この本を読みながらもあれこれ北海道の食材が頭に浮かぶ。
今回のお話の中で印象的だったのはタイトルにもあるいくらと塩鮭のごはんもそうだけれど、以外なところでこれだった。
「もち米漬け」。最近無印良品でも糠床を売っているようだけれど、実は糠漬けがあまり好きではない。ちょっぴり高級な料亭でお食事をすると最後にごはんとともに箸休めのお漬物に糠漬けが出てくることがあるけれど、どうしても飲み込めない。あの香りと酸味が苦手で、かぶやきゅうりなどは浅漬けがベストだと思っている。もしかすると何十年も熟成された糠床で作るものならもっと違う味なのかもしれない。が、今まで糠漬けを食べて「おいしい!作りたい!」と思ったことがない。浅漬けは良くつくるし、いつかは沢庵にも挑戦したいけれど、糠床を自分で育てるようなことはきっと無いんだろうなーと思いつつ、無印で一度試してみようかなという気もしている。糠床が1000円もしないというし、自分で作れば食べ物への愛情が湧いて、味も違った風に感じられるかもしれない。
ということで、このもち米漬けには「お!」と思った。これならできそう。しかも簡単。調べてみると著者のふるさと、秋田のお料理だということを知った。たしか有楽町の交通会館に秋田の物産館があったはずなので、もし品物があれば一度食べてみたいと思う。味の感覚を知った上で試してみたい。
それにしてもこのシリーズはためになる内容が多すぎて、じっくり読み込めるところが楽しすぎる。早く新作が登場しないかと待ちきれない。