Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#129 スピンオフ作品はやっぱり自由!

獣の奏者 外伝 刹那』上橋菜穂子 著

それぞれの経緯。エリンとその周りの人々の過去を垣間見る。

獣の奏者 外伝 刹那 (講談社文庫)

獣の奏者 外伝 刹那 (講談社文庫)

 

 なんだか急にひんやりした日が続き、いつも室内温度の基準にしているココナツオイルがついに白濁し始めた。ココナツオイルは20度前後で白く固まる。そろそろ秋も本格化ということだろう。

 

獣の奏者は文庫化された頃に一度読んでいたのだが、外伝が出ているとは知らなかった。この1冊が読みたくて1〜4巻もKindleで買い直したのだけれど、外伝は本筋からそれたスピンオフ作品とは言え、やはり4巻のその後の彼らの姿があることを期待してしまう。

 

だが、そこはやっぱり「外伝」で主人公はエリンではない。エリンを預かり王獣について学ばせた学舎の長は女性でエサル師と言う。今回はこの人が王獣を学ぶきっかけとなった学生時代の話が中心。

 

5巻目となるこの外伝、急に「性」がテーマとなっている。あからさまではないけれど、彼らの男女関係について語られており「急にどうした?」と尋ねたくなるような突拍子のなさがある。外伝だからということでこの内容になっているのかもしれないし、生きる=性であるのは否めず急遽そこに触れたのかもしれない。

 

正直、この作品は4巻までで良いかな、と思うに至った。5冊一気に読んだわけだが、3巻あたりから少しスピードダウン。他に読みたい本なども気になって、ちょこちょこ違う本にも気を取られたり。ただ、こんなに大きなスケールの日本のファンタジーは無いと思うので読んで見るべき作品だということは確実。