Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#441 大掃除のキレイさを維持しなくては!~「帰りたくなる家」

『帰りたくなる家』山﨑美津江 著

キレイな家を保ちたい。

 

本格的に年末だというのに、大掃除が全く終わらない。そもそもまだ断捨離しているっていうこと自体が遅すぎる!なわけで、それでも私の住んでいる地域は今日が最後の可燃ごみの回収日だったことから、今朝最後のゴミ出し完了。ようやく少し片付いた感が出始めた。

 

今年は少し早めの仕事納めとなったので時間の余裕があった。休みに入る前はやる気に満ち溢れていたはずなのに、いざ休みに入ると「まず、休め」と体が休憩モードに突入。見たかった映画やドラマを見て数日が過ぎてしまった。いかん!そこでモチベを上げるために本書を取り出し喝を入れる。

 

少し前に購入してあったこの本。気持ち的に「主婦とはこうあるべき」という模範生を見せつけられる気分になるのでちょっとハードルが高かったりもした。仕事をしている身では、平日に家の中のことに気を配る余裕がない。これで子供がいるお宅ならもっともっともっともっと時間がないはず。気持ち的にも、時間的にも、経済的にも余裕がない。でも、逆に言えば家のことのプロの指摘は効率的なことが多く、むしろ時短につながることがわかった。

 

まず、キーワードは「平ら」。これがなかなか難しい。平面を作ることを意識することでまずは整い始めるというのはものすごく実感するところがある。

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我が家の場合、テーブルの上に常にモノがある。本やリモコン、そのたもろもろ。たまに心を入れ替えて何もない状態を作ると、ものすごくものすごく気分が良い。床に物を置かないようにしてはいるが、その他「平面」の上にあれこれ物が散らばっている。

 

テーブルだけではなく、キッチンや冷蔵庫の上、棚の上、そもそも物が多いのだ。ミニマリストの方々は一体どうやって「好きな物」とスペースの折り合いをつけているのかな。広々としたシステムキッチンならば鍋やフライパンがいくつあっても収納できる。今住んでいる賃貸のキッチンでどうやって「平ら」を実現するかが大きな山場かも。

 

ところで、掃除自体は嫌いではない。めんどくさいと思うこともあるけど、一度始めたらすんなり作業は進む。エンジンさえかかれば…。もしこれが効率良くサッとすむことがわかっているならば、もっと楽に掃除ができるような気がする。そのためのタイムテーブルがこちら。

 

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平日、どのくらいなら掃除に時間を費やせるか。1時間は無理。じゃあ30分は?それもちょっとどうだろう。20分なら?15分なら?10分なら?まずはそこから考えて、私も毎日の掃除スケジュールを考えてみようと思った。

 

後半に洗剤の項目があった。クエン酸やセスキを使うことは今ではいろいろなところで取り上げられているので初めて見る内容ではないし、自宅に常備してはいる。でも使いこなせてないのが問題で、即効性を求めて市販の洗剤に飛びついてしまう。重曹をはじめ、ナチュラルクリーニングの洗剤は市販の強い洗剤よりは色んな意味で優しいけれど、優しさ余って時間がかかる。さっと一吹き、あっという間にキレイぴかぴかにはならないのがナチュラルクリーニング。上のスケジュール表のように毎日積み上げなくてはぴかぴかは訪れない。

 

ひとまず断捨離は終わったので、後は磨きをかける作業。年末までに水場、がんばる。

#440 とりあえず断捨離から~「今日は心のおそうじ日和」

『今日は心のおそうじ日和 1,2』成田名璃子 著

小説家先生のおうちでの家政婦。

 

人より一足早く休みに突入するので早いうちから大掃除するぞ!断捨離するぞ!と張り切っていたにも関わらず、なぜか映画やドラマばかり見ている謎。思えばクリスマスにケーキを食べていなかったことを思い出し、これまたこの間試しに買ってみたピカールの焼き菓子を焼いたりして掃除が全く進まない。

 

年末までに本の整理だけはやっておかないとカゴから溢れつつある未読本が崩れてきそうで危ない。最近は小さな地震も頻発しているし、これは本当に早くにやらなくちゃ。あとはKindle内も整理しないと読みたい本が探せない。これも早急に方法を検索しておかなくちゃ。

 

ということで、ゴロゴロしながらKindleの中をチェックしていたら、ちょうど掃除関連風な書籍を買いっぱなしにしていたことに気が付いた。いくつかある中でまずはラノベ風な本書から読み始める。

 

現在2巻目までが出版されており、今回は一気に2冊読んだ。主人公は離婚を経験した30代の女性。娘と二人で実家に戻るも、両親と兄夫婦が暮らす実家では窮屈な思いをする。もともと掃除好きで家のことをやることに苦はなかったけれど、実家とはいえすでに自分の家ではない場所での家事はやっぱり落ち着かない。

 

そこで、親の紹介で家政婦をすることになった。雇い主は50代の小説家で、一軒家に一人で暮らしている。妻を亡くしてからというもの、家のことに手が回らないとのことだったが、想像以上の荒れっぷり。

 

ストーリーはこの小説家と主人公母娘とのハートフルな出会いがメインで、掃除のことはあんまり多くは語られていない。そもそも主人公は「主婦」である自分が何もできないキャリアのない女という負い目を感じている。それが小説家のもとに来る編集者の意見もあり、掃除の本を出すほどの知識もあるらしい。なのにその話がほぼ出てこない。私はその「掃除」の部分に期待していたけれど、2巻目までの中ではさほど大きな知恵は出てくることがなく、むしろ一般的によく知られていることばかりで「いつ掃除の話が出るのかな?」という気持ちで最後まで読んでしまった。

 

掃除が好き!掃除楽しい!な気持ちはよくわかる。掃除の裏技などはほぼ登場せず、「まあ、ラノベだもんね」と心を切り替えて読んだ感が強い。心を閉ざしていた小説家が掃除で環境が整ったことで心の整理もできてくる。登場人物はみな、何か苦しみや悲しみを秘めていて、それが掃除を通して心を開き、最後には心を通わせるストーリーなんだろうな、と予想する。

 

さて、掃除についての本を読み、次に何をしたか。これを見た ↓。



そうよね。まずは片付けからよね。その次に掃除よね。ということで、今から断捨離始めます。

#439 せんべいが具に?~「東京近江寮食堂 3」

『東京近江寮食堂 青森編』 渡辺淳子 著

今度は青森料理!

 

続けて読んでいた作品に続編が出ていたことを知った。

 

 

滋賀出身の主婦が突然姿を消した料理人の夫を探しに東京へ向かう。そこでたまたま出会った地元の料理を出す寮で腕を振るうことになる。1巻目は近江の料理がメインだったが、次に宮崎。そして今回は青森の料理が盛りだくさん!東北の料理と言えば、秋田のきりたんぽなんかを思い浮かべるけれど、青森も不思議さいっぱいで気になるものは検索しながら読み進めた。

 

そもそも3巻目はどうして青森か。2巻で引っ越すことになった近江寮の食堂だが、そこにアルバイト志望の女性、睦美がやって来たことに始まる。若く見えるがすでに孫もいるそうで、少しずつ客とも馴染み温和な日々を過ごしていた。

 

でもやっぱりおばちゃんたちはそんな睦美のワケアリ事情を察知する。なにかありそうとは感じていながらも直接本人には尋ねない。そのうちぽろぽろと睦美の事情が見えてくる。

 

睦美の料理のアイデアは郷土料理からヒントを得たものが多く、料理の名前からどんなものが出てくるのか全く想像できない。例えば、イガメンチ。「イガ」は「イカ」がなまったものと説明があったけれど、イカメンチっていうことでしょう?それって何?で、早速調べてみた。

 

あおもりご当地食めぐり 岩木山食のエリア 弘前いがめんち

 

この写真は青森県農林水産部のホームページからお借りしております。これによると、イカの足の部分をミンチ上に包丁でたたき、そこに小麦粉と季節の野菜を入れて丸めて焼くまたは揚げるものらしい。なんとなくたこ焼き風を想像しているけれど、もしお酒を飲む人ならば「まさに酒のつまみ!」と思うんだろうなあ。

 

そしてイメージは湧く。だが味の想像が全くできん!と思ったのが「せんべい汁」。いや、待って。せんべいでしょう?醤油味とかサラダ味のあれでしょう?と、むしろマイナス方向にうわぁと思う。読み進めてわかったことは、青森には南部せんべいor津軽せんべいがある!

 

せんべい汁

 

これはあれだろうか。最中の皮とかあられがお吸い物になっていたりするような、ぱりぱりではなく、しっとり食感の具ということだろうか。すこし安心した。

 

こんな感じで疑問符を頭に浮かべつつ読み進め、途中で料理を検索しつつ読書を進めたので、読み終わるまで結構な時間が掛かってしまった。でも検索しつつ読み進めたおかげで、なんとなくではあるけれど「青森の食」のイメージがつかめたかもしれない。

 

実は青森には1度しか行ったことがなく、それも弘前を通り過ぎたというくらいのあっという間のことで、正直ほとんど覚えていない。そもそも津軽と南部の区別がついていなかったし、文化の違いがあることも知らなかった。東北地域のそれぞれの特徴や食や地理もわかっていないから、漠然としたイメージで読んでいくとただただストーリーを楽しむだけになってしまう。そこで途中下車するみたいな気持ちで検索しながら読み進めると、旅行記的な別の面白さがあった。

 

食べ物に関して言えば、寒い地方はやっぱり味が濃いのかな?と思っていたように、やはり塩分を多く摂るレシピが多いらしく、なんでも漬物にしちゃうということを知った。りんごまで漬物になっちゃうらしいから驚く。あとは海が近いエリア特有の魚を使ったラーメンだったり、肉より魚をつかったコクだろうか。

 

今はもうすでに雪に覆われているのかなーと想像しつつ旅行気分まで味わえる一冊。来年は自由に旅ができるようになりますように!

#438 お酒が江戸へ届くまでが大変すぎるのです~「下り酒一番 1」

『下り酒1番 1』千野隆司 著

武蔵屋で手代として働く卯吉の活躍。

 

さて、一足先に今日より年末休暇に入った。年休消化といいつつも、本当は一日も早くお休みとって大掃除をしなくては!という切羽詰まった事情もある。さらに今年と言うか来年と言うか、お節も準備したいと思っているので尚更だ。

 

この週末はクリスマスだったこともあり、なんとなく外に出ないで大人しくしていようと断捨離からスタート。Kindleも読み終わった本を整理しなくては目的の本が探せないことになってしまう。そろそろKindle本の整理方法についても検索してみなくては。ということで、こちらも1巻目を買ったまま放置していた作品の一つ、早速読み始めた。

 

著者の作品は今まで2つ読んだ。

 


これで3つ目になるが、今まで読んだものよりも俄然楽しく読めたように思う。どんな展開になるのか全くわからないし、登場人物のキャラクターがより魅力的に感じられた。しかも前2作の無鉄砲な前向きさと明るさに比べ、本作はちょっぴりダーク感が漂っていてより一層大人向けかな?

 

主人公は卯吉という酒屋に勤める手代だ。奉公先の武藏屋は先代が亡くなり、その長男が継いでいる。これが正直使い物にならないどうしようもない人物で、全く店にも出てこない。次男も品川あたりに店を出し、武家から嫁いだ母親に甘やかされて好き勝手に暮らしている。

 

実は卯吉は先代の子だ。妾腹の子とは言え、先代と先代の弟からは可愛がられていたし、卯吉の母が亡くなってからは武蔵屋で暮らしていた。しかし、先代が亡くなってからは他の勤め人よりもひどい待遇ながらも卯吉は懸命に勤めている。世話になった先の番頭や父に対する感謝の思いから、店がどんどん傾いているのがわかっていても逃げ出すつもりはない。

 

とにかく商才のない人間が店を切り盛りしているので、一つのトラブルが莫大なマイナスを産む。よって武蔵屋を潰したいと思えば、小さな仕掛けでも確実に躓かせることができてしまう。このあたりにぐるぐるとダークマターが漂っている風がすごかった。わがままな経営者一家に父の店を潰させたくない卯吉は店に降りかかる悪事を見抜こうと翻弄する。

 

最後までハラハラが続き、ずっと曇り空の下にいるような重い気分が続く小説だが、とにかく卯吉を応援したい気持ちが途絶えない。まるで卯吉と一緒に大川の傍を走っているような気持ちになる。必死に耐える卯吉を見ていると、武蔵屋め!と怒りが募る。

 

ということで、これも2巻へ進まなくては。ところで私は下戸なくせに日本酒の味が好きで、時々気に入ったものを購入している。お正月用に買ったものがそろそろ届くのでこの本を読みながら味わいたい。

#437 ファッション考~「それでもやっぱり、ほしいもの」

『それでもやっぱり、ほしいもの』主婦と生活社

大人のおしゃれ。

 

コロナ禍により生活ががらっと変わってしまった頃は「1年くらいで落ち着くだろう」と安易に考えていた。それがもう2年まるっと自粛生活となり、欧米のニュースによると「2024年頃には落ち着くのでは?」みたいな情報すらあって、昔のように自由に海外を行き来するなんてまだまだ先じゃん!とため息が出る一方。それでも時の流れは早く感じ、2021年もあっと言う間にもうクリスマスではないですか。

 

今年も年末年始に帰省の予定はないので、おうち時間を愉しもうと思う。冬のおこもりは北欧のヒュッゲみたいでちょっと楽しい。温かい飲み物と好きな映画や本とともに過ごす日々なんて最高すぎる!ゆったりとした時の流れを満喫する方法も板についてきたというか、上手におうち時間を過ごせるようになコンテンツも充実してきていてコロナによるライフスタイルの変化にも良いことはあったかも、と思い始めているところ。

 

さて、大人になってもクリスマスは楽しいものです。12月はお財布も潤うので自分へのご褒美を贈りたくなるシーズンでもある。おいしいケーキやごちそうだけではなく、街の雰囲気も明るくなっていい感じだし、ディスプレイも華やかでダイエットのために小麦粉を控えているのに「クリスマスだけは別腹」とケーキ、クッキー、パスタ、ピザなどなど久々に食べたい気分になってしまった。(でも食べません。オートミール食、がんばります!)

 

 

ところでコロナ禍以降、急激に服への関心が萎んでしまった。昔ならショーウィンドウの前を通って気に入ったものがあれば購入したりもしてたけれど、今は全くその気持ちが起きてこない。物を買う時、前にも増して「必要だから」という理由以外のショッピングが減ってきている。

 

もっと言えば、今までは「仕事用」「お出かけ用」「普段着」などそれぞれのTPO別に洋服を買っていたけれど、その区分が薄れつつあるというか「区別は必要?特に問題無くない?」という疑問が湧いてきた。以前はフォーマルとカジュアルをはっきりと分けていた。それがコロナ禍でフォーマルの出番が圧倒的に減り、目の行くタイプはすっかり中庸、オンオフの区別なく着られる服ばかり欲しくなる。街で目に入る服のタイプもだんだん変わってきていて「どこに着て行ってもそれなりにきちんとして見える」ようなカジュアル寄りの服が欲しくなってくる。私の勤めている会社はそれほどドレスコードに厳しくはなく、別に毎日かっちりスーツを着る必要もないので、数着のスーツを残して後は中庸で行くことにした。

 

そうなると参考にする情報媒体も変わり、まず手にしたのが本書。わかったことはやっぱり素材の良いものであればどんな形であっても様になるということだ。たとえば、下の図のようにキルティングのコートも素材がしっかりしていれば別にオフィスに着て行っても問題無さそう。

 

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たしかにファーストファッションの価格の何倍かのお値段だし、形もステッチの入り方も凝っていて確かにおしゃれ。黄色はさすがにオフィスにはどうかなと悩むところだけれど、ネイビーやブラックなら使えそう。

 

今までは会社近くの商業ビルをぷらぷら歩きながら何となく目に入ったものを購入していたけれど、本書のおかげで「こういうブランドがあるのか!」とか「このショップは知らないぞ」というものに出会えたので、衝動買いも抑えられそうな気がしてきた。

 

10代20代ならば何を着ていてもかわいいし、フレッシュだし、そして何より許される。それがどんどんと歳を重ねるにつれ、「小綺麗」はもちろんのこと、洋服は外見を「盛る」ためのツールとなりつつある。このコロナ禍を通して、その「盛り方」に個性を加えたって良いのでは?と思うに至った。そもそもコロナ太りで前に着ていたものが似合わなくなり、今、まさに「何を着るべきか」という問題に直面している。

 

もちろん人に不快感を与えず、さらには着ている自分も心地良いと感じられるのも大切だと考えるようになった。着ている本人が満足するだけではなく、同じ環境の中で働く人たちに居心地の悪さを感じさせない、最低レベルのドレスコードは守りつつ、快適に過ごせる服。全員がドレスアップしている中で一人だけジーンズで登場するような場違い&気まずさを生み出さないように、もう少しこのタイプの本で勉強したい。目指すのはアート感のあるオシャレだけれど、判で押したような平凡極まりない私の場合、まずは勉強から!

 

ここにはまだ記録を残してはいないけれど、ナチュラル寄りになった理由は一田憲子さんのこの本に出会ってからだ。

この本も久々に読みなおしたい。

#436 ぐるぐる鰻~「隠密 味見方同心 1」

『隠密 味見方同心 1』風野真知雄 著

新しい役職、味見方とは?

 

平成の感覚が抜けなくてまだ23日は休みのような気になってしまう。昭和の日のように平成の日にしてお休みにしてくれたらいいのに。

 

やっと本格的に寒くなってきたので、ヴァンショーを楽しんでいる。イギリスの冬が舞台の作品を読むとエッグノックを飲んでいるシーンが出てくる。牛乳に砂糖と卵ならば緩めのカスタードというところだろうか。そういえばあちらの方はカスタードクリーム大好きよね。日本の冬の飲み物と言えばやっぱり甘酒だろうか。私は甘酒は酒粕で作るほうが好きなので、冬はいろいろな酒粕を常備している。自宅から徒歩で行けるスーパーは5つくらいあって、それぞれ扱っている酒粕の種類が違って見るだけでも楽しくなる。

 

さて、ずいぶん前のセールの際にシリーズものの時代小説の中から、お試しに1巻目だけを買い、面白ければ続きを読もう!と思いつつ数冊購入してあったことを思い出した。急に思い出した理由はこの間の冬のセールの際に大量にKindle本を買ってしまったのはいいけれど、Kindle本体にダウンロードしていないものを一つ一つチェックしたからで、なんだかすごい量になっていて「ああ、早く読まねば!」という気になったからだ。Kindleユーザーの皆さんは書籍の管理、どうやっているのだろう。目次をページ送りするだけでかなり疲れてしまったので管理方法も考えなくては。まずそんな未読の中にタイトルが謎なものがあり、まずはそれから読み始めた。

 

本書、まず「味見方同心」ってなに?しかも副題に「くじらの姿焼き騒動」とあるけど、姿焼き?まるっとそのままBBQみたく焼くのかな?でも、くじらでしょ?と、あれこれ疑問が浮かんで来る。

 

主人公の月浦波之進は眉目秀麗、文武両道の同心で、八丁堀に父、妻、弟と共に暮らしている。嫁は町人の出で料理が上手なようだ。弟の魚之進は次男ということもあり、すこしお気楽な所がありつつも聡い様子がうかがえる。デキる男、波之進はある日唐突に新たな職務を言い渡された。それが味見方同心で、味見方とは飲食に関する罪を探る特命の仕事だった。深川の食事処などでの怪しい動きを探るといっても、まずは食べに歩かねば。費用は奉行所がもってくれるので遠慮なく高級店にも入っていける。

 

最初は妻の料理を食べて事件のヒントを得る的な内容かと思ったけれど、お勤めの内容が食に関わるからということだった。事件はたしかに飲食店で起こるし、食べ物が絡んでいる。面白い料理が出てくるので、次はどんな食べ物かなと楽しみになりながら読んでいたのだけれど、印象に残ったのはタイトルのくじらより鰻だった。鰻は江戸時代も庶民に愛されていたようで、あちこちに鰻屋がある。時代小説の料理の話ではアイデアを絞ったメニューで差をつけるというものが結構あるけれど、この鰻の話もまさにそれ!なんと鰻をかば焼きではなく、ぐるぐるととぐろを巻くようにして串に刺す!たしかに小さな鰻でも巻けばインパクトあるよね。食べやすさはどうかわからないけれど、面白いこと考えるなーと思う。

 

ところで、1巻目を読み終えたら2巻目に進まずにはいられないような展開になり、最後の最後で驚きの展開!えーーーっ!?となり、ついつい2巻目も購入してしまった。なんだかすごい事がどかーんと発生してto be continuedと画面に現れるような感じ。

 

ということで、これはまず2巻読まなくちゃ、ですね。そして鰻食べたい。ひつまぶし食べたい。

 

#435 野菜の加工に瓶づめ!~「谷中びんづめカフェ竹善 1」

『谷中びんづめカフェ竹善 1』竹岡葉月 著

谷中にすむイギリス人のつくる瓶詰料理。

 

タイトルに惹かれて購入。瓶詰と言われて最初に頭に浮かぶのはジャムやコンポートの類で、お気に入りはいくつかあるけれど、コロナ禍以降なかなか買いに行けないでいる。

 

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そういえば、ここ数年「福袋」の購入に事前予約や、数量限定のものには事前抽選で購入スタイルが生まれたが、コロナ禍以降はそれが顕著になった気がする。私はどちらかというと三が日はお金を使わないという実家の教え(年始にお金を使うと、その一年は出費が嵩む一年になるらしい)があるせいか、あまり積極的に何が何でも福袋を買うぞ!という気持ちはなかった。が、食品関連の福袋があることを知って以降、急に食欲と物欲が増している。昔は本当に何が入っているかわからなかったけれど、今は中身がわかる上に自宅に届けてくれたりと至れり尽くせり。とはいえ、今はもう12月末。すでに目ぼしいブランドのオンライン販売は終了していて、1月の初売りに賭けるしかない状態。ああ、断捨離どこいった!!!

 

本書を読みながらなぜかずっと福袋のことを考えていたのは、キーワードの「瓶詰」のせいだと思う。この頃買いに行けずにいたショップでも福袋を販売することを知ったからだ。私はジャムならラズベリーとブラックカラント、コンポートならアプリコットルバーブが大好きで、いつも決まったショップで購入していた。それがコロナ禍で物が入ってこないなどの影響でどんどん足が遠退き、この頃ではパンすら食べる機会が減ってきた。ちょうど自分で作ろうかなーとうっすら考えていた時に本書に出会った。現時点では4巻までのシリーズとなっている。面白かったら続きも読もうとひとまず1巻だけ購入した。

 

瓶詰を作っているのはイギリス人のセドリックという青年で、谷中でカフェを開いている。義理の息子との二人住まいで、もともとのカフェは妻が開いたものだった。その妻も他界し、今では一人で店を切り盛りしている。

 

主人公の紬は谷中に住む学生で、実家は農家。紬を心配してか親は取り立ての野菜を送ってくるのだが、一人暮らしでは消費に限界がある。次々届く宅配便。目の前の新しい野菜とこの前届いた消費しきれていない野菜に苛立ち、紬は前に届いた野菜は処分してしまうことにした。ビニール袋に野菜を入れ、捨てに行こうとしたところで派手に転び、たまたま通りかかったセドリックに助けられたことから縁が始まる。

 

その日捨てようとしていたものは玉ねぎと人参で、セドリックは早速「保存食にしてしまえばいい」とアドバイスをし、店でジャムを作った。そう。野菜は生食以外にも冷凍できるものだってあるし、調理してから保存すれば良いものがたくさんある。瓶詰はもう少し賞味期限を延ばす工夫があり、一度作り方に慣れればいつでも作れる。私はあまり消毒の過程に自信がなかったりでせいぜい作っても果物ジャムを1瓶くらい。数週間で消費できるものしか作ってこなかった。

 

本書はセドリックが野菜や果物や肉類を加工する様子の他に登場人物の引き起こすストーリーもあったりで割と賑やかだ。谷根千あたりの下町風な昔を懐かしめるエリアに外国人の経営するカフェでは瓶詰専門という新しさ。おしゃれだしおいしそうだ。そもそも日本の瓶詰って海苔とか魚のフレークとかだったりするけれど、洋食だと種類が豊富で見た目も華やか。ラベル一つでとてもステキな贈り物にもなるので良いアイデアだと思う。瓶とか缶ってきれいなものは捨てられないし。

 

さて、その瓶詰だけれど、本書を読んでもやっぱり作ることはないかもなーと思ってしまった。理由はパテを作ってもそんなに積極的なパン中心生活をしているわけでもないし、冬はもう少し温かいものを食べたい。果物ならデザート作りなどで活躍しそうだけれど、ピクルス食べるより漬物食べたい気分。ただ、他にどんな瓶詰が出てくるのか楽しみではあるので、もしまたセールに上がってきたら続きを読んでみたいなと思う。

 

さて、ひとまず福袋をどうすべきか予算立てなくちゃ。