Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#436 ぐるぐる鰻~「隠密 味見方同心 1」

『隠密 味見方同心 1』風野真知雄 著

新しい役職、味見方とは?

 

平成の感覚が抜けなくてまだ23日は休みのような気になってしまう。昭和の日のように平成の日にしてお休みにしてくれたらいいのに。

 

やっと本格的に寒くなってきたので、ヴァンショーを楽しんでいる。イギリスの冬が舞台の作品を読むとエッグノックを飲んでいるシーンが出てくる。牛乳に砂糖と卵ならば緩めのカスタードというところだろうか。そういえばあちらの方はカスタードクリーム大好きよね。日本の冬の飲み物と言えばやっぱり甘酒だろうか。私は甘酒は酒粕で作るほうが好きなので、冬はいろいろな酒粕を常備している。自宅から徒歩で行けるスーパーは5つくらいあって、それぞれ扱っている酒粕の種類が違って見るだけでも楽しくなる。

 

さて、ずいぶん前のセールの際にシリーズものの時代小説の中から、お試しに1巻目だけを買い、面白ければ続きを読もう!と思いつつ数冊購入してあったことを思い出した。急に思い出した理由はこの間の冬のセールの際に大量にKindle本を買ってしまったのはいいけれど、Kindle本体にダウンロードしていないものを一つ一つチェックしたからで、なんだかすごい量になっていて「ああ、早く読まねば!」という気になったからだ。Kindleユーザーの皆さんは書籍の管理、どうやっているのだろう。目次をページ送りするだけでかなり疲れてしまったので管理方法も考えなくては。まずそんな未読の中にタイトルが謎なものがあり、まずはそれから読み始めた。

 

本書、まず「味見方同心」ってなに?しかも副題に「くじらの姿焼き騒動」とあるけど、姿焼き?まるっとそのままBBQみたく焼くのかな?でも、くじらでしょ?と、あれこれ疑問が浮かんで来る。

 

主人公の月浦波之進は眉目秀麗、文武両道の同心で、八丁堀に父、妻、弟と共に暮らしている。嫁は町人の出で料理が上手なようだ。弟の魚之進は次男ということもあり、すこしお気楽な所がありつつも聡い様子がうかがえる。デキる男、波之進はある日唐突に新たな職務を言い渡された。それが味見方同心で、味見方とは飲食に関する罪を探る特命の仕事だった。深川の食事処などでの怪しい動きを探るといっても、まずは食べに歩かねば。費用は奉行所がもってくれるので遠慮なく高級店にも入っていける。

 

最初は妻の料理を食べて事件のヒントを得る的な内容かと思ったけれど、お勤めの内容が食に関わるからということだった。事件はたしかに飲食店で起こるし、食べ物が絡んでいる。面白い料理が出てくるので、次はどんな食べ物かなと楽しみになりながら読んでいたのだけれど、印象に残ったのはタイトルのくじらより鰻だった。鰻は江戸時代も庶民に愛されていたようで、あちこちに鰻屋がある。時代小説の料理の話ではアイデアを絞ったメニューで差をつけるというものが結構あるけれど、この鰻の話もまさにそれ!なんと鰻をかば焼きではなく、ぐるぐるととぐろを巻くようにして串に刺す!たしかに小さな鰻でも巻けばインパクトあるよね。食べやすさはどうかわからないけれど、面白いこと考えるなーと思う。

 

ところで、1巻目を読み終えたら2巻目に進まずにはいられないような展開になり、最後の最後で驚きの展開!えーーーっ!?となり、ついつい2巻目も購入してしまった。なんだかすごい事がどかーんと発生してto be continuedと画面に現れるような感じ。

 

ということで、これはまず2巻読まなくちゃ、ですね。そして鰻食べたい。ひつまぶし食べたい。