Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#593 ライフスタイルのお手本もスッキリ生活派でした~「スタイルを持ち、身軽に暮らす いさぎよく、住む・着る・生きる」

『スタイルを持ち、身軽に暮らす いさぎよく、住む・着る・生きる』石原佐知子 著

66歳、スタイリストの生活。

 

夏休みも最終日。昨日は衣替えをし、来年も着たいとは思えない服を片っ端からゴミ袋に詰めた。反省したのはネットで購入した服のことだ。今年の夏に山に居た間に思わず買ってしまった服のあれこれ。数回しか着ていないけれど処分したものが多い。ネットは確かに便利だし、独自のディスカウントなんかもあって飛びついてしまいがちなのだが、手元に届いていざ着てみると「なんか違う」なことが7割。手持ちのものとのコーディネートを考えて生き残ったものもあるけれど、色や形など店頭で実際に同じものを見ていたなら、きっと買わなかっただろうなと今後は一切ネットで服を買うのをやめることにした。買ったばかりだけれど、それらを一息に処分。

 

そして細々としたものも少し処分。ペンとか、ちょっとした雑貨とか。おまけでついてきたかわいい物たちも使っていないものは処分。温もりがあるorなしでどんどんと捨ててはみたが本当に片付いているのだろうか。少しはすっきりしてきていると思いたいが、全体量としてはそんなに減っていないんだろうな。

 

そういえば一昨日、ガラクタ捨ての本を探していた時、以前に読んでみたいと思っていた書籍がKindle Unlimitedにあることを知った。絶望的にファッションセンスが欠けている上に、コロナ禍以降どんどんと体重が増え、今や何を着ても微妙さが漂っている。随分前だが占いで「赤を着ろ」と何度か言われたことがある。今、赤を着たら完全にだるま体系で似合いすぎること間違いないのだが、まずはinよりoutを優先したい。とにかく、何を着るべきかわからない時、SNSで情報を取ったり、雑誌を見たり、本を読んだりして自分の何がおかしいのかを探るのだが、その際に著者の書籍がちらほら出てきていたのでずっと気になっていた。

 

正直申し上げて、私はデザイナーさんやスタイリストさんなどのファッション業界の方のお名前に疎い。よっていつものように著者のことも存じ上げずに本書をダウンロード。読んで知ったのだが、代官山にショップをお持ちのスタイリストさんだそうだ。やっぱりなあ。最近はセンスのあるシニアの方の書籍をチェックすると、大抵ファッション業界に身を置いていた方が多い。キッチンの本にもスタイリストさんが登場することも多く、そしてお料理まで上手だったりするから脱帽ものだ

 

さて、その石原さんの何が気になっていたかというと、Amazonの評価が高かった以外にこの1冊ですべてがわかる!みたいな内容になっていたことだろう。インテリアからファッションまで、著者のこだわりが見えてくる。ちなみに著者はこんな方。

 

どう考えても66歳には見えない!

ファッションセンスのある方は「似合う」「似合わない」を判断できることが強みだろう。私は「なんか変」程度で、自分に似合う服がなんなのか、全く見当がつかない。イエベ・ブルべですらぴんと来ないし、「ブルべ冬の方にはこちらが」とか言って出されたので「ああ、これが似合うのか」程度のうっすい感想しか浮かばないから、こうしてはっきりと「似合うとはこういうことよ!」というお手本を見せられると、俄然やる気が出てくるというものだ。

 

本書は前半は暮らしのこと、後半はファッションのことが書かれている。特にインテリアは興味深かった。

 

白で統一された自宅は、なんと賃貸なんだそうだ。すぐに飽きてしまうので、賃貸で暮らしているのだが、オーナーがお知り合いの方らしく自由にリフォームできるという点が一般の賃貸とは異なるのかも。

 

それにしても、だ。これ日本ですよ?どう見ても海外のキッチンっぽいが、著者は見せ方の問題と言っている。パリの一角にありそうな絵だが、これもすべて著者が一人で作ったもので、よーく見るとエッフェル塔のおろし金っぽいものが見える。(著者はエッフェル塔のアイテムを集めているそう)

 

なんとも居心地良さそうで、それでいて個性に溢れている。ファッションもそうだが、自分の「好き」が基本になっているのでブレがない。そして著者も一切のガラクタは受け付けない。

 

⑩使うものしか持たないこと

「ただ持っているもの」はうちにはありません

 

「風通しのよい家」は、ものも人もいきいきと生きて、動いている家。

戸棚や引き出しの中に何年も着ていない、忘れ去られている服はありませんか?キッチンにずーっと置きっぱなしで、何年も触っていないようなスパイスが並んでいたりとかは?ものが使われずに停滞していると、そこに時間の垢みたいなものがたまって、どうしても風通しが悪くなる。

なんとなく「ただ持っているもの」は、必要ではないものなのです。

食器も洋服も、どんなものでもそうですが、持っているものは必ず使う。使ってはじめて、ものは生きるのですから。だから高かった服こそ、たくさん着て、元をとらなきゃいけません。もったいないから「ここぞというときに着る」なんて思っている「ここぞのとき」って、5年の間に2、3回しかないのでは?

ものがたくさんあることは、決して悪いことじゃない。でも、使わないものをたくさん持っているのは意味がない(趣味のコレクションは別として)。

 

まさにカレンにも通ずる概念。ガラクタは一切ない。本人が好きで、ちゃんと愛着を持って使用している物に限る。そこがやっぱり心地よさの原因だろう。

 

そろそろ安物買いはやめよう、と考えてからずいぶん経つ。ジーンズ1本で旅に出ていて、急に仕事が入って現場から駆け付けなくてはならない時、ついファストファッションで間に合わせの服を買ってしまい、とりあえず1シーズンは着てみるのだけれど、買う時に迷ったとはいえ真剣に吟味してそのショップに行ったわけではない。だから後々箪笥の肥やしが増えていく。実際にショップで試着して購入しても、肥やしになってしまうのだ。本当の「好き」を探す作業はライフワークと言えるだろう。

 

箪笥と言えば、著者は箱型の収納ものを使わない様だ。箪笥やボックスなど、ほぼ使っておられない。それでいてスッキリしているし、見せる収納ではないはずなのに吊るされたお洋服も風景にマッチしている。

 

私の場合、まずはガラクタ処分からだが、ガラクタを捨てたことで生じる空スペースにぽこんと「センス」が入ってくれればなあ。