Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#235 海外を楽しむ極意を感じました

 『フランスはとにっき 3』藤田里奈 著

ついに帰国!

 

引き続きフランス留学のマンガを読む。フランス、出来るならば住んでみたい。が、きっとあれこれ不便なこともあるんだろうなーと容易に想像できてしまう。言葉の問題が大部分だけれどこれは住んでいるうちに少しは改善できるだろう。問題はインフラ関連。日本であれば普通のことであっても、海外ではなぜか上手く進まないことが多々ある。予約をしておいてもその通りにことが運ばないことも多いし、文化的背景に溶け込めないことによるトラブルもある。パリには旅行で数回しか行ったことはないけれど、たった数日の滞在でも「ああ、ここは住むにはちょっぴり不便かな」と思うことがあった。

 

あと、空気。乾燥した国に行くと大気汚染がぐっと身に迫ってくるような気分になる。排気ガスの匂いがひどく、鼻水が出てきたり、喉が痛くなったり、リップクリームの上に何か埃のようなものがぺたぺたとくっつく感じといえばわかるだろうか。東京に戻ると「ああ、空気きれい!」と思うくらいにヨーロッパの大都市の空気はクリアではなかった。

 

著者もそんなパリの生活の中で感じた日本との違いを書いている。そして実際に直面すればきっと「なんだ、フランス人!」といらっとすることもあっただろう。それを逆に不便を楽しんでしまっているかの様子に著者のお人柄が感じられる。

 

f:id:Dahliasbook:20210315072855j:plain

 

海外で生活するにおいて、「おもしろい!」と経験したすべてを楽しめる能力が無ければ、いつまでも「早く日本に帰りたい」と思ってしまうだろう。実際私がそうだった。空港近くに住んでいたので、ANAJALの飛行機が空に舞うのを見るだけで涙したり、そのうち人に接するのが嫌になって何もかも否定的に受け取ってしまう。滞在国と日本を比べて「だからこの国はダメなんだ!」と思ったり。

 

フランスに行く人だけではなく、海外で生活する人はこのシリーズを一読して「楽しみ方」を学ぶとよいのではないだろうか。