Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#719 残すところ10冊となってしまいました~「居眠り磐音 39~41」

『居眠り磐音 39~41』佐伯泰英 著

孫との対面。

ああ、ついにあと残すところ10冊ほどとなってしまった。

 


この3冊で江戸へ戻った磐音らの生活は定着しつつある。とはいえ、徳川家の傘の下で私腹を肥やす田沼一族は執拗に磐音を追い続けていた。そもそもなぜ磐音が終われるのか。それは佐々木道場を営んでいた亡き養父の存在がある。

 

佐々木道場は影に徳川家を支える目的で千代田の城の傍にて道場を営んでいた。多くの藩より剣を学ぶ者が通い、得た剣術は自然と徳川を守る盾となっていた。それが田沼には邪魔でならない。しかも次代としてその才覚が期待されていた家基を殺害するほどに田沼の闇は拡大していた。

 

しかし磐音らが身を潜めていた紀州にて田沼意次の側室を名乗っていた愛人おすなを討ち、磐音らはついに江戸へと帰還する。今津屋の好意で小梅村に身を寄せるが、驚くことにそこには道場までもが準備されていた。

 

3年強の遠出の間、江戸は変わった。おこんの養父の速水左近は要職を追われての甲府入りだったが、磐音の力でまた江戸へと戻った。友人品川柳次郎は嫁を娶り、今や子の親となっている。同心木下一朗太も嫁を娶り幸せいっぱい。今津屋には二人目の息子が生まれて安泰だ。

 

佐々木を名乗ることで田沼に追われるならば佐々木姓など名乗らずとも良いとの佐々木家菩提寺の僧の言葉から、磐音らはまた坂崎姓を名乗っている。今や坂崎道場となった小梅村の尚武館は40人ほどの武士が剣術を学びに通っている。そこへある日、旧藩からの呼び出しがあった。磐音の出身は豊後の関前藩で、父親は国家長老として従事している。磐音はかつて友とともに地元の産物を江戸にて販売する事業を考案し、準備を進めていた。この時も私財の拡大に藩を利用していたものが保身のためか、磐音ら多くの藩士が犠牲になるほどの戦いを仕掛けて来た。6万石の関前藩は当時その何倍もの借財を抱えており、友を失った磐音は陰ながら藩の事業立ち上げに貢献していた。

 

今、この物産事業は成功を納め藩の財政は格段に改善された。久々にその様子を見に来るようにと呼び出された磐音は実に驚くこととなる。なんと関前の実母が磐音の小舟に乗り込んでいたからだ。どうやら父とともに新設された藩船にて江戸へやってきたらしい。突然の両親の訪問、おそらく何かがあるはずと踏んだ磐音だが、また藩に悪がはびこっているという事実を知り、父を支えることとなった。

 

ついに孫を抱かせることができた磐音とおこん。ああ、あと10冊しか残ってないなんていつまでも読んでいたい!