Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#681 悪意をそのまま受け止めない!~「メンタル強め美女 白川さん4」

『メンタル強め美女 白川さん4』獅子 著

助けられています。

先日喉の痛みにコロナ罹患を疑って受けたPCR検査、結果は陰性で恐らく気管支炎か何かなのだろうと思われる。自宅にある市販の風邪薬で急場をしのいでいるが、のどの痛みが引かないのが問題だ。とはいえ、コロナ罹患となると周囲にも迷惑をかけることとなり、その点では大いに安心した。

 

安心ついでに、届いたばかりの本を読むことにした。すっかり3巻の記録を書き忘れていたようなのだが、こちらはシリーズ4巻目で私にとっては読むクスリ的存在だ。


 

白川桃乃は25歳。誰もが認める美人だが、本人はこの美により過去はずっといじめられる日々を送っていた。家族の愛と、自分自身の内面と向き合うことで白川さんは強さを身に着けていったのだろう。どんなに嫌味を言われても、どんなにマウント取られても、白川さんは必ず打ち勝ってきた。相手がぶつけてくる悪意を素直に受け止める必要はない。その悪意からをも何か学びを得る。

 

例えば、女性も三十路を過ぎると人生の選択肢に違いが出てくる。ある者は結婚し子供に恵まれ、ある者は仕事に邁進して成功を納め、ある者はまだ自分の進むべき道が見えず苦悩の最中に居る。また女性のひがみは恐ろしい。自分より優れたものを持つ人に嫉妬し、その人にとって適格な「傷」となる言葉を投げかける。

 

辛辣そうではない言葉ほど刺さる。そんな毒を吐いてスッキリするかといえば、そうでもないはずだ。一度悪口を言い始めると、それが日常になってくる。そうすると心がすさんで来る。

 

白川さんは絶対にそんな生活は送らない。なぜなら自分にとっての幸せを第一に考えるからだ。白川さんのメンタルの強さはかつての経験から来るもので、己の価値観を信じている。他人の意見に呑まれず、相手の悪意もさらりとかわす。そのコツがこちら。

 

 

このマンガが読むクスリだと思う理由は、誰もがへこむような事柄を、白川さんが「違うよ」と新たな考え方を提示してくれるからだ。会社という空間は、同じ組織に所属している以外の共通点はない。学校とは異なり、年齢層も様々で、役職などの上下関係はは年齢とは異なる評価からなる。接する人も社外、社内と幅広い上に、「ビジネス」という利害があるのも面倒だ。だからこそ、言葉や態度の一つ一つが気になってしまう。

 

私の場合だが、上司が社内の調和を乱している。とにかく働かず上へのおべっか一つで社会人生活を送って来た人物で、仕事は全て部下に丸投げだ。仕事をしない上に、そもそもその能力がないのだが、本人の自己評価はものすごく高い。毎日遅刻と早退で、その上ものすごくおしゃべりなので一日中喋っては仕事の邪魔になっている。誰もがこの人を諸悪の根源と考えているので、上司が出社してからの社内の空気はものすごく重い。だからこそ、悪口が増える。すると、毎日何等かの理由で気分を害して悪い言葉を吐いていると、どんどんと自分の気持ちも低下し、作業効率も悪くなる。

 

そこで、自分にとって幸せであることを優先し、幸せとは思えないことを無視することにした。すると、その上司の存在も気にならなくなり、自然と会話にも出てこなくなった。白川さんのおかげである。何も自分の気分を害する人間のことを四六時中考えている必要はない。でも、嫌な気分というのは長々と続く場合もあり、ふと気が付くとずっと嫌いな人のことが頭から離れないことがある。これは健康にも本当に良くない。

 

というより、もったいないのだ。世の中には楽しい事がたくさんあるし、美しいもので溢れている。それなのに幸せとは真逆の気持ちで、しかも好きでもない人間のことで頭と心を真っ黒にするなんて、時間の無駄だし楽しい事に没頭していたらそんな暇すらないのだ。それを教えてくれたのは本書である。

 

何か悩みやコンプレックスの有る女性にはおススメしたい一冊。読み返せるように私は紙版で購入していつでも手に届く所に置いてある。