Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#599 そろそろ海外旅行に行きたいのですが、行けるかな?~「ヒッコリー・ロードの殺人」

『ヒッコリー・ロードの殺人』アガサ・クリスティー

ポアロシリーズ第31弾。

 

関東地域は昨日よりずいぶんと気温が下がり、今日は日中も15度以下の気温とのこと。寒いというより、やっと秋らしい季節になった。今年は夏が長かったので例年より冬への準備が遅れ気味なのだが、そろそろ大掃除の準備や年末年始の過ごし方を考えなくては。

 

もう一つ考えておきたいことに有休の残余をどう使うか、がある。どうにか年内に使ってしまいたいので、どこかでまとめて休みを取りたい。今までは在宅勤務をしたい日に有給申請していたのだが、そろそろ本腰を入れてだらりと過ごしたくなってきた。

 

そこで、本書を読み始めたこともあってか、一週間まるまる休みを使えばヨーロッパに行けるのでは?などと妄想を始める。なぜ本書とヨーロッパがリンクしたかというと、タイトルが地名であり、roadの部分がヨーロッパを感じさせたから。

 

ということで、本書の紹介。

 

Title: Hickory Dickory Dockl

Publication date: Oct 1955

Translator: 高橋豊

 

さて、今回はこれまた読み始める前から期待値が薄かったことを記しておく必要がある。アガサシリーズを読む順番を決めるにあたり、こちらを参考にしている。

 


次の作品を読む順番を確認する時、いつもは目次を見、ガイドブックの評は読了後に目を通すようにしている。ところが今回は、前作の評を読んだままで閉じてしまったせいで(普段Kindleで読んでます)先に次作の書評を見てしまった。題目はこんな感じになっている。

星の評価が1つだし、その横にはなんと「つまらなさの研究」とある。そうかー、つまらないのかーという思いを抱えたまま読み始めた。

 

まず舞台はロンドンにある学生寮だ。住所はヒッコリー・ロードで、Google mapで検索してみたが実在するわけではないようだ。ポアロにはミス・レモンという凄腕の秘書がいる。度々登場してきていたが、有能という以外の情報は何もなかった。

 

今回、そのミス・レモンのお姉さんがポアロに事件を持ち込んだ。お姉さんは長くシンガポールに在住していたのだが、未亡人となり帰国し寮母として働いていた。その寮で奇妙な事件が続いていると妹に相談し、ミス・レモンからポアロへ話が伝わる。興味を抱いたポアロは姉であるハバード夫人を助けることとなった。

 

ハバード夫人の働く寮は男女が別々のウィングで生活をし、食堂やラウンジなどは共有だ。ハバード夫人は今、寮生の持ち物が次々と盗まれるという事件に頭を悩ませている。それも高価なものは指輪があったくらいで、後は細々としたものやあまり価値のなさそうなものがある日突然消える。ポアロは解決すべく寮へ赴き、昨今の犯罪についての話などをする。誰かが名乗り上げるであろうという信念の元、ポアロがハバード夫人のもとでお茶を飲んでいる間、案の定一人の女性が名乗り出た。それも恋愛が理由で、盗みというよりはいたずらに近い行為だ。

 

一件落着に見えたが、その女性が実際に盗んだものは今までに盗まれたもののほんの一部。そして翌朝にその女性は部屋で服毒自殺を図っていた。しかし、まわりは殺人だと判断し、調査を進めて行くというお話だ。そしてオチも謎。

 

担当のシャープ警部は優秀で、ポアロは今回あまり活躍していない。寮を訪問したのも数回で、ひらめきのような推理も乏しい。読み終わるまでの間に盛り上がる部分もなく、むしろガイドブックでの評価を知っていたからこを読み終えられた感もある。

 

なんとなくの印象は、登場人物が寮生でもあることから、学生劇のストーリーのように感じられた。寮生の数も多いし、セリフも多い。そういう意味ではあまりポアロらしさの感じられない作品と言えるだろう。加えて翻訳がすこーし読みにくい。言い回しだけではなく、日本語の意図としてひっかかるところもあったりと言葉の古さも目に付いた。

 

それはそうと、有休残、どうしようかなあ。

 

評価:☆

おもしろさ:☆

読みやすさ:☆☆