Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#580 完全に文系の私に技術書を翻訳しろと? ~「技術系英文ライティング教本」

『技術系英文ライティング教本』中山裕木子 著

文系が工業英語に困ったら読むべき本。

 

さくさくと紙の本を読み進めている。今週末こそ全ての本をどうにか本棚の中に収めたい。読み返すことがないと思われるものは早々に処分したが、じっくり読みたい本がぎゅうぎゅう詰め。そのうち本棚から落ちてきそうな勢いだ。身の安全のためにも早急に読み進める必要がある。

 

さて、本書は仕事で必要だったので購入したのだが、タイトルにある「技術系」に特化せずとも役にたつ内容が多く、完全に文系の私には知らない世界が広がっているようなものすごい本だった。

 

本書は3つの軸からなっており、技術系の文章を英作文する際の基本、そして文法、最後に応用になっている。各章の終わりには練習問題もあり、文章は完全に理系の文章になっている。

 

正直申し上げて、日本語で読み書きしたとしても工業系の内容は全く分からない私が、それを英語で読み書きするなんて無理以外の何物でもない。ところが会社というのは何を考えているのかわからない。自分が知る分野のやりとりですら何とかこなしているレベルだというのに、軽くさらりと無理難題を押し付けてきた。技術書を英訳しろって、もう本当に無理です(涙)。8月、だらだら仕事していた理由というのがまさにこのせいで、やる気も起きないし、むしろ面倒くさくて記憶から消したいくらいだったのだが、9月に入って催促があった。仕方がない、やるしかないなと重い腰を上げたのだが、その中腰姿勢のまま積読の山に行き、本書をひっぱりだしてきた。

 

工業用の英語、私にはなぞの暗号にしか見えない時がある。例えば、普段使っている単語の意味がまったく知らない形で使われていて全く訳せない。訳せないということは、英文に書き起こすこともできない。

 

加圧室の中に液体を導入すると、液体は加圧される。

 

これを英文にするとどうなるか。

 

The liquid is pressurized when introduced into the pressurizing chamber.

 

 え、待って。Introduceって「紹介するじゃなくて?」と戸惑い。調べてみると、introduce A into Bで(理論や手法など)を導入する、取り入れる、という意味があった。辞書、本当は下までしっかり読まなくてはならないとわかっていつつも、つい並びで上の方にあるものばかり見ちゃったり、辞書によっては医療とか化学とか専門分野での使い方について丁寧に説明してくれているものもあるというのに、見逃しておりました。こういうところに日頃の雑さが目立ってしまう。これからは辞書も読み込まなくては。とは言え、普段の会話で液体の導入の話なんて出てこないもの!introduceの奥深さを今日あらたに学ぶことができた。

 

そして、工業英語は論文や技術書だけではない。その上ジャンルもいろいろで、本書で紹介されている文章から学んだ単語も多かった。そして毎度困ってしまうのが冠詞と前置詞。あと分詞構文も適切に使えなかったりと反省点は多いのだが、本書ではそんな文法問題をわかりやすく説明してくれている。文法書の様に深く追求しているわけではないのに、例文が工業系の文章になっているのでなぜかすっと頭に入る。

 

それにしても普段「高慢と偏見」とか読みながらダーシーに悶絶しているような私に工業技術書を翻訳しろとは...。お給料をもらっている以上、がんばってみますよ。経費不足で外注できないのも知っていますよ。でもこれ、ほんと終わりが見えないんですけど…。9月、倒れるまで頑張る。