Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#561 ええ、そんな!感涙 (´;ω;`)~「あきない世傳 金と銀 13」

『あきない世傳 金と銀 13』高田郁 著

ついに最終巻!

 

この間の山の日、Amazonで50%ポイント還元イベントの最終日とあれこれ書籍を買い込んだ。と思ったら、なんと今度は50%オフのキャンペーンが始まっていではないですか。期限は8/25までらしいので、ここはセーブしたポイントを使わせて頂き、またいくつか書籍を買いたいところだ。

 


またこの週末もうっかりAmazonの沼にはまってしまうところだったのだが、それ以上に心待ちにしていることがあった。

 

そう、それは本書を読むこと!忘れもしない8月8日、事務用品が切れてしまい閉店間際の書店に駆け込んだ。入って目の前の新刊のコーナーに本書が山のように積まれており、しかもその日が発売日とはなんと幸先がよい!と、早速購入。楽しみにしている書籍はゆっくりと、だれにも邪魔されずに読みたいわけです。ということで、週末ゆっくりと音楽を聴きながら楽しんだ。

 

本書は大阪の呉服屋が江戸に支店を持ち、奮闘するというストーリーだ。主人公の幸は幼い頃に五鈴屋へ奉公に出された。幼いながらにも美しく聡いことから一目置かれる存在となる。特に五鈴屋の身代を支えているお家さんより可愛がられ、五鈴屋の主筋との結婚より五鈴屋の商売へも深く深くかかわっていく。

 

幸の知恵のみならず、その商才を支える人が常に周りにおり、人と人の関係もすこぶる良い。言葉が柔らかく、相手を思う心が込められた優しさが染みてくるような会話が続き、読んでいると自分の言葉の荒さやだらしなさに恥ずかしくなってくるほどだ。

 

大阪では当時商家の上に立つものが女名であることは禁じられていたらしい。よって幸はそのしばりのない江戸へ旅たち、五鈴屋をより大きくする決心をする。江戸は将軍様のお膝元、武家も多く何かきっと新しい商売を生むことができると考えたからだ。田原町3丁目の五鈴屋は、大阪本店と同じく屋号と同じのれんを下げ、赤穂浪士の討ち入りの日である師走に店を開けた。

 

しかし、いざ江戸へ出てみると上方とは生活様式から商売の流れ、文化が全く異なる。そこで苦難を重ね、その困難を乗り越える姿が13巻まで描かれているのだが、そろそろ読み終わりと言う頃になって「あれ、なんかこれ最終回的な流れじゃない?」と不安になってしまった。もっともっと読みたいシリーズだからこそ、不意打ちのような終わりにはらはら。とにかく読み進めたのだが、その予感はやはり的中してしまう。最後のページの(了)の文字を見て、ああ終わってしまった!!!!!と、ものすごく感動しつつも終わってしまう寂しさになんとも言えない気持ちになる。

 

読書する際、私はたいていカバーをはずしてしまうのだが、その帯に「感涙の最終巻!!」とあるじゃないですか。見落としてましたよね、帯のこの大切な一言を…。

 

とにかく、大作でした!本当に涙涙の13巻。年末あたり、また1巻から読み直したいくらいに心に残る教え深い作品。