Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#557 自分の好きなもので心をいっぱいにしよう ~「メンタル強め美女白川さん 2」

 『メンタル強め美女白川さん 2』獅子 著

強く美しい白川さん。

 

「山の日」あたりから夏休みという人が多いそうだが、私は全くもって休みも取れずいつも通りの一週間となりそうだ。自営業であればオンオフ関係なく常に仕事に没頭という場合もあるかもしれない。でも、一介の末端社員としてはそろそろ休み取りたいし、上がアレなので働かざるを得ないというストレス…。

 

ということで、1巻目でちょっと救われた気持ちにさせてくれた白川さんの2巻目を読んでみた。

 


1巻で白川さんはよくある「ポジティブ思考」の人かな?と思っていたら、もっともっと上を行っていることがわかり、読んでいるうちに自分にもプラスの気持ちが流れてくるようだった。ポジティブ思考というよりは、自分を持っている人と言った方がよいのかもしれない。周囲に流されることなく、自分が「好き」と感じるものに焦点を当てていく。だから余計なノイズを気にかけている暇がない。そもそも、嫌いなものや嫌いな人とのことで心をいっぱいにして何の得があろう。それならば自分が好きなものに集中して、常に気分良く過ごすほうが人生楽しく過ごせるというものだ。

 

白川さんは25歳という設定だが、そう達観できるようになったのはわけがある。

 

 

上のストーリー、いつも明るい白川さんエピソードが続いている中、唐突に過去の話が登場。思い出話のあまりの重さに悲しくなってしまった。仲間外れやいじめの原因は全く想像すらできないような理由で発生することがある。白川さんはとても美人。その美しさが逆に周りの嫉妬を増長させ、いじめへとつながったのだろう。いじめた側の姫子ちゃんはその後テレビでレポーターとして活躍しているようだから、白川さんに負けず劣らず容姿もかわいいはず。それでも自分が1番でなくてはと白川さんを徹底的に排除した。いつも一人体育館の片隅でお弁当を食べていたという学生時代の白川さん。その時の「負けない」という気持ちが今の白川さんを作ったのかもしれない。

 

辛さを生むストレスの現況で心をいっぱいにしたって何の前進もない!とどんなにいじめにあっていても、いつも一人でも、ずっと前を見続けた白川さんは強いと思う。そして誰にでもできることではないと思う。同世代からのいじめの他、社会にはモラハラパワハラなんていうものもあって、話を聞いているだけで心が凍りつきそうになるようなひどい話は枚挙にいとまがない。だから全ての人が本書を読んで救われるというわけではないだろうけれど、私が経験しているような放っておいたり流せてしまうようなイライラや、軽い嫌がらせなどで日々鬱々としている方には一度読んでみることをおすすめしたい。(特に女子!)

 

集団の中で生活しているとどうしても人と人との間の不協和音にモヤモヤしてしまうことがある。私にも経験があるが、たいていは「嫉妬」が原因で、それは女性ばかりのことではない。男性だって「後輩が自分より先に昇進した」とか「なぜあいつばかり役員に可愛がられているのだ!」とか、自分と比べて少しでも自分が優遇されていないと感じると途端に嚙みついて来る。むしろ男性の嫉妬のほうが何倍も鬱陶しいし、じめっと陰湿だった。最後には全てを人のせいにして「俺のせいじゃないもん!」と逃げる管理職。白川さんのようにそんなことで自分の心を滲ませないように努力しなくては。

 

そして2巻には新しい登場人物がやってきた。羽柴さんという本社から異動になった41歳のキャリアウーマンでとても美しく仕事もできる。この人、ある意味すごい!とちょっとモチベを上げられてしまった。

 

羽柴さんの気合は半端ない。白川さんとは逆のパターンで美しくなかったことからバカにされた過去があり、それを乗り越えることで強くなった女性だ。羽柴さんは努力で全てをカバーしてきた。外見の美しさだけではなく、知性を磨き、教養を身に付け、「もうバカにされないぞ」という思いをバネに今も努力を続けている。自分をバカにした同級生がおばちゃんになっている今、羽柴さんは孤高の人よろしく美しい。そして決して美を追求することを疎かにしないのだが、それがあまりにもレベルが高すぎてふつうの人にはついて行けない程だから、逆に女性たちから引かれてしまう。

 

 

 

でも、いいじゃん!と私は思った。だって「痩せたい」って言いながら、行動が伴わないことはざらにある。痩せたいなら食うな!動け!なわけだけど、羽柴さんはしっかりと目標を持っているからターゲットに向けての行動にブレがない。一方私は「今日はストレスで疲れたから大福食べよう」とか、「いっぱい働いたからタクシー乗るか」と楽な方にばかり流されていた。羽柴さんの「行動する人としない人の間にはどんどん差がついていくのよ」とは耳に痛いところだが、ストイックに目指す道を進むのはかっこいい。苦に思わずにサクサクと動けるその行動力が羨ましい。だから余計に羽柴さんのまっすぐさに打たれた。

 

2巻まで読んで、そして読むたびになんだか元気になるこのシリーズ。結局ベッドサイドに置いて寝る前に読みたい時用に紙バージョンも買ってしまった。心の持ちようのベクトルをどちらに向けるべきかわからない時、小さな道しるべをくれるような本。