Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#528 衣替えしたら急にオシャレに目覚めました~「マダムが教えてくれたこと」

『マダムが教えてくれたこと』ユニカ 著

おしゃれをすることについて。

 

本日は出勤の方もいればお休みの方もいることだろう。5月の頭は割と海外でも公休日にあたる国が多く、今回はしっかりと有休を取った。いつも飲んでいるコーヒーを頼み忘れてしまい、今日は近所で焙煎しているというショップに買いに行く以外は家でのんびりしたいと思う。

 

さて、この週末は家のことをどうにかせねば!と衣替えから手を付けた。ここ1年袖を通していない服を処分することにし、状態の良いものは人にゆずったり、綿素材のものはじゃきじゃきと切ってウエスにしたり。ここ数年新しい服を買うことがめっきりと減ったので作業は1日であっという間に終わったけれど、夏服を出してみて「さて、これどんなコーディネートにしようかな」と困ってしまった。

 

一昨年あたりから日本のアパレル企業がコロナ禍の打撃で苦戦を強いられているというニュースを聞き、積極的に日本ブランドのものを買っている。ささやかな応援にしかならないが、少しでも衰退を防ぐことができたらと思う。在宅勤務で外に出る機会が減ったことや、ショップ自体がクローズしていたので主にネットで購入してたわけだが、届いてみて「なんか違う」なものも確かにあった。というより、半分くらいはそうだったかもしれない。色や素材からくる違和感の他、明らかにサイズがマッチしていない。特にパンツの丈は最も悩み深い。返却すれば良いのだが、それも面倒と結局そのまま手元に置くことにした。思っていたのとは違うけど、さすが日本ブランドは形がきれいなので着ればなんとかなる。ふむ、今年はこれらをどうやって着こなすべきか。そこで本書を読んだ。

 

ファッションの本を読むとき、出来る限り世代に関係なく読むようにしている。小中高生がターゲットのものはさすがに目を通すことはないが、ティーンからシニアまで、素敵に見えたものは手にすることが多い。この頃はむしろシニア対象の本を好んで読んでいる。いまや70代や80代の方のファッションは昔の「おばあちゃん」風ではなく、自分の長所短所がわかっているからか完全にフィットした着こなしをしておられる。むしろ意外なアイデアがものすごく多くて取り入れたいワザが多い。

 

最近読んだ本ではこちらがあるが、エレガントさに憧れの溜息がもれる。

 

さて、本書はカフェでバイトしている主人公が素敵なマダムのファンとなり、自分なりに研究する。そしてその知恵を自分のライフスタイルに取り入れていくことで輝き始めることにフォーカスが当てられている。そもそも、年配の女性をつい「マダム」と形容したくなるのは、その女性がエレガントでオーラを醸し出す美しさがあり、独特な個性に加え、堂々と人生を楽しんでいる自分らしさに溢れているからではないだろうか。思わず目が行くような、かっこよさ。マダムと呼ばれるのは相当誇ってよい事のはずだ。だって普通に暮らしていたなら「おばさん」とか「おばあちゃん」ならまだしも、「あのいつも一昔前のスタイルで若作りしてるおばちゃん」なんて言われたら悲しすぎる。

 

本作に登場するマダムは白髪をベリーショートにカットし、いつも素敵なファッションでカフェに現れる。優雅にコーヒーを飲みながら新聞を読み、その姿が20代の主人公の目を惹きつける。サービングの際に少し話をするのだが、その短い瞬間に学びを得、主人公も魅力的なマドモアゼルに育っていく。

 

例えば、マダムは恐らく70代~80代だと思うのだが、ピンヒールで登場することも多い。例えばこちら。

靴のお手入れってつい忘れがちで、本当に傷んで初めて修理に出したりすることも多い。pointed toeの靴、確かに先が傷むんですよね。エナメルなんて特にそれが目立つからちゃんと手入れしなくては、と思うのだけれど、なかなかそこまで手が回らない。こを読んで、自分のシューズボックスのずさんさを思い出し「連休中に手入れしよう」と気合を入れた。

 

「先っぽ」は私にも刺さるキーワードだ。ここでは髪の毛先の手入れが挙げられているが、爪もキレイにしなくては。よく祖母が言っていたことだが、私が無造作に髪をまとめていると「若いっていいわね。年を取るとこれでもか!ってほど清潔を意識しないとダメなのよ。髪を束ねた時におくれ毛一本あっただけでキレイに見えないの。たった一つでも整っていないと不潔に見えてしまうからオシャレにもお金がかかるのよねえ。」と言っていた。当時はそんなものかと思っていたが、本書を読んでいるうちに昔の記憶がよみがえってきた。そういえばFPの書籍にも美容代が年を加えるごとに増えていたのを思い出す。

 

確かに素敵に見える人は清潔感がある。髪一つにしてもルーズ感の出し方によってはただただだらしなく見える場合もある。あの差は何だろう?多分、清潔に見えるかどうかのギリギリのラインを自覚し維持する、と理解した。これについて例としたのは英国王室に嫁いで速攻アメリカに渡ったあの方で、結婚報道が出た当時は才女でハーフブラックというバックグラウンドから来るたくましさもあり、きっと見事に公務をこなすだろうと思っていた。ところが今や残念な結果となっている。しかも渡米後の彼女はルーズに髪をまとめることが多いが、それよりきれいにシニヨンでまとめたほうが似合うと思う。ルーズなまとめ髪はあまり彼女を輝かせていないのではないだろうか。

 

さて、そして気を付けてもなかなかできないのが姿勢。

気にしている時はしっかり背筋は伸びているが、ちょっと油断すると猫背になってしまい維持するのが大変だ。実はこの頃整体に通い始め、これが少しずつ正しい姿勢を維持するのに役立っている。何事も毎日の積み重ねなので、エクササイズを続けたいところだ。それにしてもやはり姿勢は大事なんだということを再認識させられた。モチベーション維持にもなってよかったよかった。

 

そして、これから何を買うか問題。マダムは40年前の服を今でも大切に身に着けている。これは素敵だ!自分にぴったり!なものも歳を追うごとに似合わなくなることがあるが、それでも大切に着られるような選び方はできるはず。そしてその素敵な着こなし方を40年間アイデアを出しつつ自分の一部にする作業は楽しいだろう。今、その時代の服を購入することは絶対に無理なわけで、洋服も一期一会。これからは必ず実物を確認して購入することに決めた。

 

そういえば、これまた英国王室の話になるがキャサリン妃は今年40歳になられたそうだが、学生時代の服を今でも公務で身に着けておられるそうだ。体形を維持していることもすごいけれど、これこそイギリス!親世代、祖父母世代の服を手直しを加えて今でも着ている人によく出会ったが、アンティークを楽しむ感覚でお洋服も経年で育てていこうと決心した。それにはまず、長い時間耐えられる素材を吟味し、しっかりした裁縫で作られたものに限る。2022年の服を2052年にも着られるように、自分の目も育てないとな。

 

ああ、やっぱりファッションって楽しい。