Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#522 働く同心妻!~「うちの旦那が甘ちゃんで」

『うちの旦那が甘ちゃんで』神楽坂 淳著

同心の妻が夫の仕事をサポート。

 

実はこの頃、サブスクを少し整理しようと検討していたところへNetflix業績悪化のニュースがあった。まさにそのNetflixをどうしようか悩んでいたので動向に注目している。

 

見たいジャンルの好みによってNetflixの使用率が一番高い!という人もいるだろうが、私の場合はアマプラとHulu利用率が圧倒的に高い。友人の中にあまりHuluの利用者がいないことから「何を見てるの?」とよく聞かれるのだが、私は主にCNNやBBC、そしてTV5Mondeというニュースチャンネルを見ている。あと海外ドラマを出し惜しみせず、シーズン1からしっかり流してくれているのも嬉しい。シーズンが10を超えるものなど、Netflixだと数シリーズ分の配信が無かったりするのだが、Huluは太っ腹でそれがない。全部のシリーズを見ることができる。

 

あまりに見ない日が続きうっすら存在すら忘れていた折、出張先のテレビのリモコンにNetflixボタンがあったことから久々にちょっと見てみることにした。で、結局見たのがこちら。



この作品は超絶癒されるのでおススメです。りらっくま、かわいい♡

しかし「積極的に見たい!」と思うのがこの作品のみというのはどうだろう。しばらく見ていなかったので何か新しいもので面白そうなあるはずだという期待感があったのだが、結局何度も見た本作品にしか食指が伸びなかった。確かにNetflixでしか見られない作品だけれど、このために月々約1500円というのはどうかなー。利用者が何十万人単位で解約しているのは、コンテンツに魅力を感じられないからではないだろうか。チェックしてみると北欧や南米発のドラマには少し惹かれるものがあるのでGWに一気見し、それから検討したいと思っている。

 

さて、Kindleの小説をどんどん読んでしまおうと本書を読んだ。こちらももし1巻が面白かったら続きを買おうと思っていた1冊。

 

主人公の沙耶は、同心同士親交のあった親が決めた婚姻で月也のもとへ嫁いだ。月也はぼんくらと言われているが、心根が優しく犯人にも温情を感じてしまうのが玉に瑕。同心にも多くの種類があるのだが、月也は風烈廻り同心という役職で、少ない人数で単独で活動している。風烈というからには、恐らく風が強い日に見回りを行い、火事の被害など起きないように当たるものだったと思われる。火付盗賊改のように放火犯などの巨悪犯を捕まえるための役割もあったのだろう。ただ、月也はおっとりと暮らしており、なかなか手柄を挙げることができずにいた。

 

そんな様子なので、同心の世話をする小者がいない。実力なしと判断され、あっさりみきりを付けられてしまい、何度も小者が入れ替わりしている様子だ。そこで妻である沙耶が月也を支えようと小者になる、というお話。それにしても同心妻が働いているというのも面白いが、外に出て夫を助けるというのも斬新に感じられた。

 

沙耶は機転を利かせて策を練り、最後に月也が犯人を捕まえる。沙耶は情報収集に岡っ引きではなく、街の女の力を借りる。夜鷹蕎麦屋や銭湯、高利貸し、辰巳芸者などが沙耶に力を貸し、その様子は元気いっぱいで楽しい。

 

とは言え、今まで読んだ時代小説とちょっと違うなーと感じた設定もあった。例えば、岡っ引きの扱いだ。本書では、

岡っ引きはだいたいのところがほとんど博打うちかヒモと言っていい。もともと犯罪者に顔が利くから岡っ引きになっている。だからガラが悪い。

と、ある。今まで読んできた作品には同心と一心同体で働く岡っ引きの親分がたくさんいた。伊佐治親分なんてブレインであり、機動隊であり、秘書であり、親代わりなどなど、信頼関係が完全に築けていた。


あと、親世代の存在が出てこない。同心は一代限りとはいいつつも、実際には世襲の側面が強い。沙耶の年齢は22歳とのことだから、恐らく親世代もまだまだお役目についていることだろう。夫妻はもともと同心の家の子供なのだから、親世代にゆかりのある人や、親自身が登場してもおかしくないのに生活の中に親世代の姿は見えない。

 

そして犯人が簡単につかまりすぎる(笑)捕まってもすんなり自身の罪を認めたり、月也が温情深いキャラクターであるせいか、善の目的での悪事だったりするのでお裁きの結果も緩い。そして犯人が早々に想像ついてしまったのは、きっと捕物物語の読書数が増えたことで経験値が少しあがったからだと信じたい。

 

そこが少し違和感ではあったが、まだ1巻だしこれから沙耶が陰に日向に活躍し、月也を盛り立てていく話なんだろうなと思う。コミックにもなっているようなので、時代小説の入り口としては楽しく読める作品のはずだ。

 

さて、3回目接種を受けなくては。週末はまったり読書もしくはNetflixでフランスのドラマの見納めかな。