『思い出菓子市』倉阪鬼一郎 著
次はお菓子市。
週休3日制にならんかな、と淡い夢を抱いている今日この頃。たった2日の休みでは家のことをやっているだけであっという間に週末なんて終わってしまい、翌週まで疲れを引きずってしまう。江戸時代は10日に1日休みとか勤労にもほどがあるわけだが、昭和までは週休1日が普通だったので、もしかすると週休3日だってそのうち実現するのではないだろうか。とは言え、4月に入り急に物価高になったし働かなくては食べていけないしなー、などなどぐだぐだ考えてばかり。もしくは、在宅勤務も歓迎でございます。
さて、手持ちの本を読んでしまおうとこちらを読み終えた。
家の近くに和菓子屋さんがないのが残念でならない。どうもお菓子系の本を読んでいるとおはぎや団子が食べたくなる。
はつねやは谷中にある和菓子屋だ。若い夫婦が営んでおり、二人の間には2歳になる娘がいる。夫の音松は花月堂で修行をし、腕を買われて独立した。二人では心許ないと巳之介が花月堂から遣わされ、お菓子修行をしながら売り子も担当している。
2巻目では江戸の和菓子屋4店でお菓子を競い合ったが、3巻目では8店が集まって見本市のようなものを開くこととなった。たった3日間の開催だったが、毎日のようにお客が来て、はつねやもまた江戸で名の知れた菓子屋となる。
その菓子市で、はつねやは一つの試みを持って参加した。それは「思い出のお菓子を作ります」というもので、おはつの父を思ってのことだった。おはつの父は幼い時に他界しており、すでに父の面影すら思い出せずにいた。大切な思い出を菓子を通して思い出せる人がいるかもしれない。おはつも自分の父の顔を思い出したいと思っていた。父の姿を他人の思い出探しをすることで少しずつ霧が晴れていくような気持ちになる。
2巻目のお菓子番付の審査員としてとある殿様が登場した。相当のお菓子好きらしく3巻目では見本市にも登場する。はつねやのことも気に入ったようで、これからはこの殿様とのご縁もできそうだ。
4巻目も出ているのだが、私はひとまず手持ちの3巻目までで本を置くことにした。もし思った以上に未読本の数が早く減ったら、4巻目も読んでみようと思うかも。