Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#504 太古の書を読みたくなります~「神様の御用人6」

神様の御用人 6』浅葉なつ 著

穂乃香の兄、登場。

 

都内は桜が満開で、家の近くの人気スペースもこれから人で賑わうことだろう。とはいえ、感染者増加のニュースもあるので気を付けなくてはならない。長くコロナで抑制された生活が続いていたせいか、少しの開放で心が大きくなってしまうようだ。

 

さて、手元にある本を読んでいこうと決めてから、できる限り早いペースで読書を進めたいと考えている。ところがやっぱり年度末はあれこれやることが増えてしまうせいか思ったように読書が進まない。こういう時はとにかく軽い気分で読めるものに限るとしばらく放置していた本書の続きを読んだ。

 


5巻目を読んだのも数か月ぶりで、少し話の背景を忘れかかっていたのだが読み始めるとすっと記憶が舞い戻ってきた。

 

6巻目はなんと舞台は関東へ移る。良彦は京都に暮らすので関西エリアの中を中心に回っていたように思う。九州や四国にも出かけてはいるが、とはいえそれも西日本。東に出て来たのはこれが初めて。

 

そもそも東京に来た理由は友人の孝太郎が大学の同窓会があるとかで、なぜか交通費まで出して良彦を同道させた。しかも、本人はすぐに昔の友人と合流し、良彦とは早速別行動だ。良彦はというと、方位神の黄金とともに観光にでも行くことにした。しかし、やはり彼らの前には奇妙なことが多々起こる。

 

まず、平将門が出て来た。彼らが今回宿泊しているホテルが大手町だから、まあこういう設定もアリかな、と読み進めていたのだが、エピソードに登場する人物がなんとも言えない。まず、将門は将門塚にいる時はしっかり武将らしい姿なのだが、一歩外へでるとまるで落ち武者。その姿で有楽町界隈をふらふらと歩きつつ、藤原の末裔を探すとかごもごも言っている。今回、その末裔うんぬんの理由で将門に目を付けられている人物がいた。

 

その人物、わりとしゅっとした男性で旅行会社に勤めているらしい。そしてどうやら天眼とまでは言わずともなにやらうっすら見えているらしい。ところが見えるものは全て現実のものと思っているので、例え落ち武者が見えたとしても「ああ、なにか時代劇でも撮ってるんだろうなー」とぼんやりにもほどがある。この男性が良彦の東京の旅のキーとなる。

 

そしてもう一つは九州だ。宗像神社の三姉妹からの要請で西へ向かった良彦たち。頼まれた御用はちょっと切ない。一般人の立ち入れない聖域にある神社であることから、ある種のテレパシー的なもので良彦はその島に入った。そこで見たもの、聞いたものは太古の日本の歴史につながり、古事記日本書紀の内容にもつながっていく。

 

神社には日本の神々が祀られているので、古事記などから日本がスタートした頃の話を知ることで、神社を訪れることの意味や意義にも自ずと深みが加わるだけでなく、九州や奈良を旅する際にはもっと有意義な時間を過ごせるのではないだろうか。6巻目を読みながら、なんとなくそんなことを考えていた。小説をきっかけに学びを得たいと思うことは多々あるけれど、こうして興味の範囲が広がることは大変喜ばしいことと受け止めている。ああ、いろいろなことを学びたいなあ。