Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#503 ある意味才能(笑)~ 無能の鷹

『無能の鷹 1』はんざき朝未 著

鷹野、できる風。

 

週末、Amazonで新生活のキャンペーンの中身を見ていたら、本書が無料で読めたのでさっと読んでみた。

 

IT会社に転職した鶸田。転職のための入社試験で、ものすごくできそうな女に出会った。それが、鷹野だ。見た目も声も姿勢も、とにかく「このひとデキるわ」と思わせるものに溢れていた。一方の鶸田はITスキルや分析スキルも高いのに、小心者で営業にでても最後の一押しが出来ないことに悩みを抱えていた。

 

さて、数名が入社試験に来ていたにもかかわらず、鶸田も鷹野もめでたく入社。ITコンサル部署で一緒に働くこととなった。なんとめでたい!鶸田はもともと優秀であったし、きっと新しい会社のスタイルと相性があったのだろう。どんどんと活躍の兆しを見せる一方で、誰が見ても仕事できそうな鷹野はというと…… 実はびっくりするほどの無能だった。

 

IT企業だというのにExcelを知らない。算数も一桁までならどうにかできるが電卓なんて使えない。基本的なことが驚くほどに何ひとつできない。書類のプリントアウトさえできないというすごさにもかかわらず、丸の内のきれいなオフィスで働きたかったからという理由でIT企業を受ける大胆さだ。

 

その鷹野、本当に本当に本当に何もできないので会社としてはかなり持て余しているのだが、同期の鶸田は彼女と組んで営業活動を始めることになった。というのも、鷹野は誰がみてもデキそうなオーラが飛びぬけており、鶸田の小心っぷりを凌駕してくれる。絶対に営業トークを覚えることもできないし、今行っている仕事の内容すら全くわかっていないにもかかわらず、なぜか得意先は一瞬で鷹野を「デキる…」と勘違いし、なぜか商談もうまくまとまる。

 

鷹野には隠れた才能がある。それは無駄に英語の発音が良いことなのだが、言えるのはThis is a penとappleのみ。聞いた言葉を繰り返すくらいはできるが、意味は一つもわかっていない。

 

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見た目が9割という書籍があったが、鷹野の場合はデキるオーラが尋常じゃなく、その上メンタルがかなり強い。どんなに周りにバカだと言われても一向にめげない。それどころか、ミスを指摘した相手に「私の指導が悪かったのか」と思わせるところがあり、ある意味これこそ才能か!と思わせるものがあった。

 

しかし、見た目で「デキる人」と思わせることは必要だと思う。身だしなみだけではなく、自信ありげな様子はビジネスの相手にも選んでもらえるポイントとなる場合もあるだろう。ある意味、ものすごく参考になった。が、とにかく鷹野のリアクションが面白くて思わず笑ってしまう。

 

シリーズは4巻まで出ており、1巻は今なら無料で読めるので気分転換におススメ。