Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#465 多分私の想像力が足りんのだ ~「パーマネント神喜劇」

『パーマネント神喜劇』万城目学 著

喜劇...かな?

 

周りで不調を訴える人が増えている。「オミクロンはただの風邪」という意見があるようだが、風邪だって喉とか鼻とか不快だし、加えて熱とか出ればもっと辛いので、例え風邪のような症状だとしても絶対にかかりたくない。ああ、リモートになればなあ。

 

でも、今は強い味方を得た気分。しょうが湯を飲んでいる。これは昨年末、四国出張の時にスーパーで購入したもので、広島県尾道市の樋口製菓の製品。ほんのり甘く、とろみがあり、喉に優しくほっこりする。本当は甘酒に入れるしょうがの代わりになりそう→おいしそう!と想像し数個購入したのだけれど、あまりの寒さに負け毎日会社で飲んでいる。すぐに体ぽかぽかでしょうが湯に助けられてる感がすごい。じつはもう一種類「ほうじ茶黄金しょうが湯」というものも購入してあり、こちらはあとで飲んでみる予定。

 

 

さて、京都の笑いを求め、続いて万城目さんの作品を読むことにした。こちらも長くKindleで眠っていた作品だが、2020年の作品だからまだ眠りは浅い方だ!とどんどん読書を進めている。

 

 

内容の説明の前に今回は感想から書いておきたい。本書、実は読了後も頭の中に「?」が消えない作品だった。主旨が見えないというか、筋が見えないというか、何とも言えない「これは果たして何だろう」な感覚がぐるぐると回っている。最初表紙の絵から「パーマネント」な「神喜劇」がテーマかと思っていた。神レベルで面白い喜劇がパーマネントにながーく続くようなオチを期待したが、これは「パーマネント」と「神」と「喜劇」それぞれが独立しており、どのシーンがそれに相当するのかまだ見つけられずにいるようなふわふわとした感覚だ。

 

語り手は1000年ほど神社で働く「神」で、縁結びを専門としている。どこの神社かとか、神の名前とか詳細は一切出てこない。会話をしている場面でもこの「神」一人の言葉のみが書かれており、そこはちょっと落語みたいな感じといえるだろうか。そして神なのに言葉が軽く、話す中身もすっと頭に入ってこない。

 

その神をモデルに本を書くという神?とか、試験管みたいな神も出てくるけれど、彼らは一切声を発することはない。主人公の神が一人で話しているだけで、ぺらぺら軽い会話を喋り続けているだけだ。もしかするとそこが喜劇要素なのかな?

 

ただ縁結びにかけては強い思い入れがあるようだ。神の力(本書では言霊)の及んだ人間が神の推す道を歩いている過程は視点が変わって三人称となり、いつもの小説のような流れとなる。なんとなーくうっすら「夢をかなえるゾウ1」に似てるかもーな部分もあるけれど、それほどモチベを上げて来たり、含蓄ある言葉が心に刺さるようなストーリーというわけでもなく、神が主人公という作品の中でも別格の曖昧さという印象が残った。行間に潜む笑いを読みこなせなかったということだろう。

 

良く言えば、この緩さが「おもしろい」とか「ほっこり」とも言えるし、想定外なストーリー展開を生んでいるともいえるが、私にはいまいちピンとこない作品として記憶されてしまった様に思う。オチが見えないなんて…。期待しすぎたせいか、ちょっぴり残念。