Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#414 大根買わねば!!!~「はなの味ごよみ 2」

『はなの味ごよみ 2』高田在子 著

ふろふき大根、疑似豆腐。

 

恐ろしや、Black Friday...。気が付いたらまたもや楽天で10店舗コンプリートしていたから驚き。何をそんなに?と毎回家計簿を付けながら思うのだが、要は日頃食べてみたいと思っていた食材とか「気になる」と思っていたキッチングッズ、消耗品の洗剤あたりを一気にストック用として買っている。というか、買ってしまっている感じ。とはいえ、価格はそれほど財布に負担を与えるようなものではないけれど「今いる?」と自問自答して結局購入に至らなかったものが、ショップ巡りでポイントの倍率がアップすることにつられて急に「節約」のハードルが低くなって自制が利かず、つい買ってしまう。カード社会になってよりその傾向が強くなり、「ショッピング=すっきり!」みたいなことにならないように気を付けてなくては!

 

これからはしっかりとやりくりしていくぞ、と心を引き締めたところで実家からの救援物資が到着した。私の両親はたまに思いついたように地元の食材をがんがん送ってくるのだけれど、秋はやっぱりおいしいものが多いので11月はすでに2個目の食材供給である。今回は大量の和菓子も届き、ありがたく頂いている。やっぱり和菓子があると読みたくなるのは時代小説で、アガサ読まねば!!!という心の声をかき消して、この間読んで面白かった小説の続きを読んだ。

 


1巻目、夫婦となったばかりのはなの元から、夫の良太が姿を消した。はなは良太が居なくなって初めて自分は良太のことを何も知らずにいたことに気づく。そもそも、良太が江戸からやってきたであろうことはうっすら知ってはいたけれど、江戸のどこからやってきたのか、職業はなんなのか、親兄弟は?などの具体的な良太の生い立ちについては全く情報がない。しかし、良太への思いを絶つことができず、一人江戸に旅立った。

 

江戸に着くや否や、大食漢のはなは空腹のあまり通りで倒れてしまう。気が付くとそこは小石川の療養所で、良太との思い出の品と手紙以外はすっかり紛失、お金も無いはなは江戸での良太探しについて途方に暮れる。でも絶対に見つけるという意思は変わらずで、療養所の面々も地元に帰ることを進めるが良太を見つけるまで江戸に残ると意地を張る。見かねた療養所の武士が住み込みとして紹介してくれたのが「喜楽屋」という店だった。

 

喜楽屋の人気メニューはふろふき大根。女将のおせいは夫を亡くし、今は一人で店をきりもりしていた。心根の温かい人で、はなの境遇を聞き、受け入れてそばに置くことにした。そしてはながトラブルを起こさないようにと喜楽屋を紹介した武士の岡田は、お目付け役として頻繁にやってくる。

 

2巻目では相変わらず賑やかなはなと喜楽屋のお客たちとの人情話が続く。おせいの料理も気になるものばかりで、相変わらずふろふき大根は美味しそう。東京も朝晩冷えるようになり、読んでいるうちに居ても立ってもいられない。「そうだ、後でスーパーで大根買おう!」と自分も作りたくなるような気持ちにさせる。

 

そして今回初めて「擬製豆腐」という料理を知った。豆腐を水切りし、味付けをして炒め、それを型に入れて形を整えてまた火にかける。卵は入っていないのに卵焼きのようだとはなは言っているが、レシピを検索すると今は卵を入れるレシピが多いようだった。動画を検索してみても、やはり卵入りのレシピが主流。

 

 

他のアジアの国はどうなのかはわからないけれど、日本はそもそも肉を食べるようになってまだ数百年。乳製品だって歴史は浅い。卵は食べていたようだけれど、それでもかなり高価で、はなやおせいのような町人では口にすることはできなかったようだ。その代わり、私たちにはその分のタンパク質を補う技がある。精進料理なんて今のビーガンやマクロビの人たちには参考になるはずだ。この犠牲豆腐もそんな知恵が詰まった料理だと思う。

 

2巻目も面白かったので、現在出ている8巻まで多分読み続けるような予感。