Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#342 神奈川から山形へ舞台が移りましたね

 『詩歌川百景(1)』吉田秋生 著

海街diary、すずちゃんのもう一つの家族の話。

 

 

オリンピックが終わった途端に雨が続き、お盆にはついに災害となってしまった。被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 

本来であればお盆は里帰りをしたり、まとまった休みで旅行に行ったりと日常とは違う家族との時間やプライベートを満喫する日々となるはずだった。そもそも本来であればオリンピックは去年に行われていたはず。それがコロナですっかりと世の中が変わってしまった。思えば最後に実家に帰ったのはいつだろう、海外出張行ったのはいつだろうと思い返してみると、最後に海外へ出たのは2020年の1月、実家に帰ったのは2019年の12月だった。もう何年前だったという感覚すらおかしくなってきている。1年前だったか2年前だったか曖昧だ。

 

もしコロナが無ければ、この夏はきっと田舎でゆっくり過ごしていたことだろうと思う。鳥の鳴き声で目が覚めるような、自然に囲まれて中でリフレッシュしていたことだろう。そんなことを思っていたところ、ふと吉田秋生さんの新しい作品が出ていたことを思い出し早速購入した。なんとなく「海街diary」のような作品が読みたい気分になったからだ。平和なゆっくりと流れる時間を求めて、本当ならばこんな風に過ごしたかったんだよ!というイメージを思い浮かべたくなったのだ。

 

この作品は山形県の北にある温泉街が舞台となっている。「海街diary」は横浜が舞台で3姉妹が主人公だ。ある日腹違いの妹がいることを知り、その妹が父の他界により横浜で一緒に暮らすことになるというストーリーだ。腹違いの妹は「すず」と言い、父親は横浜を出て仙台で別の家族を持っていた。すずの実の母親はすでに他界し、その後父は山形の女性と再婚した。互いに子連れの再婚で、父にはすずが、継母には二人の男の子がいた。

 

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本作の主人公は、そのすずのすぐ下の血のつながっていない弟、和樹である。真っ当な大人になってくれて本当に安心。

 

和樹は河鹿沢温泉で働いている。この温泉は多分実在しないと思うのだけれど、描かれる情景は日本の田舎そのもので、癒された気分になった。

 

今後この和樹の物語がシリーズとなるようだ。すずのその後も気になるけれど、これからどんな話になるのか楽しみ。