Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#339 推理への耐性が芽生えてきたような気がします

 『ABC殺人事件アガサ・クリスティー

ポアロシリーズ第11弾。

 

会社ではUSキーボードを使っている。かれこれ10年以上使っているのですっかりこのタイプに慣れてしまった。自宅でもUSキーボードを使っていたのだけれど、とてもとても古いMacbook Airsurface proなので画面が12インチほどと小さく作業が大変。これでは在宅勤務に耐えられないのでこの春15インチのものを新たに購入した。画面が大きくとても作業しやすいのだけれど、これが日本語キーボードで未だなかなか慣れない。ローマ字入力だからそんなに違いはないかと思いきや、記号の位置が全く異なるのでその都度指が止まってしまう。「@」など毎回キーボードの隅から隅まで探してやっとみつかるほどだし、アポストロフィーなんかも毎回躓く。結局surface proを出して来て小さい画面で作業することになり、目がとんでもなく疲れてしまうので、一日も早く15インチPCに慣れなくてはと思っているところ。

 

とはいえ15インチはとても見やすく買って良かったと思う。動画を見るのにも丁度良く、少しずつ使用頻度は増えている。Kindleでマンガを読むのも見やすいし、何よりも新聞が読みやすい。この在宅勤務中に記号の使い方をマスターしたいと思っている。

 

さて、この夏はアガサ・クリスティー作品を読もうと決めた。100冊くらいの作品があるうち、これでやっと11冊目だ。

 

Title: The ABC Murders

Publication date: January 1936

Translator: 堀内静子

 

なんとなくタイトルが洗練されていないというか、日本語でいえば「いろは殺人事件」とか「あいうえお殺人事件」という感じだろうか。きっとABCの順番で事件が起きるんだろうなー、と読む前から想像がついた。

 

タイトルから予見される内容ではあったものの、今回は親友ヘイスティングズが久々にイギリスに帰国しており、一緒に事件を解いていく。最初はヘイスティングズと一緒に住んでいたポアロも、彼が南米に行ってからは新しい所に引越して一人暮らしを楽しんでいるようだ。ベルギーに帰らずなぜ英国にいるのかは相変わらず謎だけれど。

 

11冊目にしてポアロと事件のかかわり方にちょっとした変化があった。今までは偶然その場に居合わせるというものがほとんどだったけれど、今回はなんとポアロ宛に予告の手紙が届いた。誰が出しているのかもわからない、何が起こるのかわからない。ただ地名だけが告知されている。

 

ポアロヘイスティングズはその手紙と事件から真相に近づいていく。ポアロにとってヘイスティングズは素人らしい純粋さとストレートにものを考えるところが答えを導くヒントとなっているらしく、この作品でも何気ないヘイスティングズの言葉からひらめきを得ている。

 

ただ、このヘイスティングズの役割が今後ずっと続いていくのなら、読者はきっと途中で投げ出してしまうような気がしてくる。読んでいるうちに鍵が見えてくるということはないのだけれど、私のような推理小説初心者には彼の存在のなにがヒントになっているのか最後まで見えてこない。でもなんとなくパターン化されているようで、その象徴となっているのがヘイスティングズに見えるのだ。

 

kindleで読んでいると今自分が全体の何%あたりを読んでいるのか進捗が見える。ポアロ作品の場合は80%を過ぎたあたりでポアロの「解けました」宣言があり、85%あたりで登場する人全員を集め謎解きを始める。ヘイスティングズがいかに鋭い一言を投げかけていたのかは85%過ぎポアロの説明を聞いてやっとわかるので、「え、そんなコメントあったかな?」と思ってしまったりも。紙の本だとパラパラ戻ってチェックできるけれど、kindleだとそれがちょっぴりやりにくい。

 

とはいえ、今回もそれなりに入り組んだ作品となっていた。さすがに10冊過ぎるとちょっぴり流れを予測できるようになり、推理への耐性が出来てきたような気がする。

 

今回の翻訳家の堀内静子さんは1941年生まれで他にもたくさんの翻訳がある。やっぱりヘイスティングズに変なため口使わせるよりもこのくらいの丁寧さが読みやすい。

 

評価:☆☆☆

おもしろさ:☆☆☆

読みやすさ:☆☆☆