Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#314 江戸の薬、なんとなく効きそう感がありますね

 『出世商人 3』千野隆司 著

元気丸が文吉の人生を変える。

 この間セールの際に2巻までを購入していたのだけれど、3巻で完結とのことだったので最後の一冊を購入。

 

 

主人公の文吉には借金がある。本人がこしらえたものではなく、亡くなった父が商売が立ち行かずどうすることも出来ずに借りた金だった。いつしか額は膨れ上がり、文吉が借金の存在を知ったのは父が亡くなった後だった。

 

2巻までは文吉が元気丸という滋養強壮の薬に出会い、それを売る権利を得て借金を返すべく日々努力しているという内容だった。元気丸が大変効き目が良いということで薬師問屋たちは戦々恐々としている。そして元気丸に敵わないと判断した薬師問屋の中には文吉に嫌がらせをしてくるところが出てきた。どう考えても真っ当な商いをしたほうが道は開けると思うのだが、文吉の邪魔をすることに商運を掛けているかのごとく次から次へと悪さをしてくる。

 

今回は広場で樽芸を見せていた祖父と孫娘が事件に巻き込まれる。孫娘は樽を高く積みあげその上に乗るという芸を見せているのだが、何者かが樽に石を投げ娘の乗っていた樽の塔が崩れるという事件があった。たまたま広場にいた文吉は彼らを家に連れ帰り面倒を見る。

 

祖父と孫娘の回復が鍵となっており、元気丸で彼らが回復するかどうかを町中が見ているという内容。3巻で完結とのことだが、なんとなく続きがありそうな気がするのだけれどどうなんだろう。さっと読めるシリーズだった。