Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#293 いろいろな神社が舞台とは、ますます読みたくなってしまいます

 『神様の御用人2』浅葉なつ 著

良彦と黄金が今日も神様を助けて歩く。

 

この作品、2巻目まではKindle Unlimitedで読むことができる。2巻目まで読んでもっと続きが読みたくなってしまった。

 

そもそも神社めぐりは楽しいものだ。歴史に興味ない、哲学に興味ない、伝統文化に興味ないなどの理由で犬猿する人もいるようだけれど、たいていの場合、そういう方々は団体旅行で出向いておられる場合が多いように感じられる。一人で、もしくは本当に心を許せる人と少人数で参拝すると、気持ちは随分変わってくるはずだ。

 

今やどこにいても音に溢れていてそれが当たり前になりつつある。どんなに都会のど真ん中にある神社でも行ってみるとそこはすっぽり音が抜け落ちているような静寂がある。たしかに周辺を走る車の音や、参拝客の笑い声なんかは耳に入ってくる。それなのに不思議とひっそりとした静かな場所で、自分の心の素直な声に向き合える。そしてその中に身を置くと、なぜか心がリセットされてクリーンになった気分になり、力がつくような感じだ。と、私は思っている。

 

一時期はスピリチュアル的な本も読んでみたりしたけれど、今はそれより自分がどう感じられるかのほうが大切に思えるようになった。ご利益目当てで読んでいたわけだが、心がリセットされるほどのご利益はない。それに本当に本当にご利益があるのならば、私は心の底から日本の平和と繁栄と幸福を願うと思う。そして日本が世界を幸せにできるように導くことができるようになればと真剣に思う。

 

さて、2巻目は登場神物が華やかだ。ついには出雲の神様まで登場する。そして穂乃香という良彦の友人のいる神社の娘が登場。穂乃香は「天眼」で神を見ることができる。小さな頃から不思議が見えていた。そして信仰が薄れ、この世を旅立たざるを得ない神をも見てきた。他の人には見えず、穂乃香だけには見えている神々なので時に空を長いこと仰いでいたり、何もないところをじっとみていたりと、周囲からは奇異な目で見られていた。そのうち、どんどんと人と距離を置くことになる。

 

見えないはずの世界が見えるというのは、生を受けた時にちょっぴり神様要素が多く入ってしまったためらしい。見えてしまうことは良いことなのだろうか。たまに見えない世界が見える人の話を聞くし、いないはずのところに何かの気配を感じるというのは誰しもが経験していることだけれど、それを「透明人間だ!」というよりは「見えない世界のなにか」としたほうが我々日本人にはすっと納得がいく。

 

黄金は良彦が初めて御用を聞いた神なのだが、本来は古来から日本を支える方位神で狐の姿をしている。1巻目ではその御用への対応が気に入らないと、そのまま良彦の元で暮らすようになったのだが、黄金がいてこその良彦というか、なんとも一人と一柱のコンビが面白い。これからはどんな神様がいらっしゃるのか、その神様の歴史にも関心を持ちつつ参拝したいと思えるようになった。

 

さて、3巻目からはどうしようかな。しばし迷ってみようかな。