Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#226 ゆったりまったり気分転換が叶うカフェに巡り合いたい

 『鹿楓堂よついろ日記1~13』清水ユウ 著

古民家カフェはお菓子も料理も絶品。ラテアートだけはちょっと怖い。

 

Amazonのセール、今回はずいぶんとマンガを購入した。紙で持っていたシリーズものや、気になっていた作品などもちらほら購入。こちらは気になっていた方の作品で、今現在13巻まで出ている。

 

この作品の舞台は都内の古民家カフェで、4人の男性が営んでいる。この古民家はオーナーであるスイの祖父がもともと経営していたもので、祖父の没後にスイが復活させたものだ。料理担当のトキタカは著名な陶芸家でお年寄りに愛されるキャラ。スイとは同級生で、偶然店を手伝うこととなった。パティシエのツバキは和菓子も洋菓子も作れてしまう凄腕で、バリスタのグレはイタリアとのハーフで運動好きだが美的感覚が独特。4人は鹿楓堂に同居しており、そろいもそろってみなイケメンという設定。

 

鹿楓堂はカフェではあるが食事も出す。食事はトキタカが担当しており、彼は庭に畑を持ち自分で野菜を育てたりもしている。料理のお話のところだけ、レシピやこうすれば美味しいですよ的な内容になっているけれど、お菓子についての特別な話はなかった。

 

今まで読んできたマンガとは違い作ることに主眼を置いている作品ではなく、そこは少女マンガらしく目に美しく、食べて美味しく、人にやさしい温かい空間がテーマとなっている。実際、運営面で考えてみても席数がちょっとしたファミレスくらいの広さに見えるのに従業員4人で回すというのは難しいだろうし、たとえ裏庭で野菜を育てているとはいえ原価設定がずれているようにも見えるので、あまりリアルさは感じられないかも。

 

とはいえ、登場人物の人柄が面白く結局13巻大人買いしてしまった。特にバリスタのグレのキャラがコミカルで笑える。彼はイタリア育ちでバリスタの腕もイタリアで磨いており、最高のカフェを作る。が、ラテアートが問題だ。

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気合を入れたウサギのラテアートがかなり微妙。しかし味はとんでもなく美味しいのだけれど、やっぱりラテアートが微妙。しかし常連さんには「今日はどんな奇抜なラテが来るのかな」と楽しみになっているし、その微妙さが話題になっていることにパティシエのツバキは納得がいかない。とにかく、すごく微妙なのだ。そして、これは飲めばもっとすごくなる。

 

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飲み口からフォームが吸い込まれていくので、アートがどんどんムンク化。この作品はウサギだけれどもっと恐ろしい可能性を秘めたアートもあるので、それを楽しみに読んで頂きたい。

 

気分転換にはなる作品なので次のセールがあればその時点で出ている作品を購入してもよいかな、と思う。家の近くに行き着けのカフェがあったらな、と常々思っていた。チェーン店ではなく、喫茶店的な空間でそんなに騒がしくなく、ひっそり本を読んだりできそうな所。そこに行くだけで気分転換になるような、元気をもらえるような、そんなカフェに巡り合いたいものである。そういう意味では鹿楓堂は理想的なカフェなんだろうな。