Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#224 能のお話の予習としてバスケのお話を読んでおきました

 『Natural1~5』成田美名子 著

理子に弟ができた。弟はペルーからやってきた少年ミゲール。

NATURAL 1 (白泉社文庫)

NATURAL 1 (白泉社文庫)

 

 

白泉社の書籍が50%ポイント還元と知り、書籍で持っていたものや他の電子書籍で持っていたものを買い直そうと思い立った。

 

さっそくランキングをチェックしていたら能をテーマとした成田美名子さんの作品があり、その絵の美しさに数巻を購入したのだけれど、1巻目を見たらいきなり家系図が出てきた。

 

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一番下に「くわしく知りたい方は『Natural』全11巻をみてみてねー」とある。おや、続き物か?と早速Naturalを購入。

 

多分合本になったのだろう。全5巻完結セットとあったので一気に買ってすぐに読み始める。舞台は東京。研究家の父の関係でペルーの田舎で生活していた理子は、父親がリマに転勤になったことから一足先に母親と日本に帰国していた。リマは治安が悪いらしく父親は一人で数年滞在していたわけだが、ついに帰国が決まり理子は父の帰りを待っていた。

 

父はなんと「弟」を連れて帰ってくる。ペルー人の男の子を養子として引き取り、一緒に日本に連れてきた。男の子の名はミゲールで、大天使ミカエルから名を取ったのだろう。もともとミゲールの家族がリマの父の家で働いていたらしく、ミゲールは父になついていた。

 

ペルーと日本では言葉も生活習慣も異なる。理子自身も帰国子女として苦労したし、なんとか日本の生活に馴染もうと努力した経験もある。だからこそミゲールの不安を感じ取れたのだろう。理子が元気を取り戻すきっかけとなったバスケットボールをミゲールにも教え、ミゲールにも日本の生活の中で居場所が芽生えていく。

 

ミゲールは影と憂いのある少年だった。何かに怯えるようでもありながら、猛然に襲い掛かるがごとく怒りを見せる。それが理子の存在でどんどんと溶け、高校に進学するころには日本語も上達し、素直な少年となった。

 

物語は高校生となったミゲールを中心に組まれており、理子がきっかけを作ったバスケットと、ミゲールがやりたいと願った弓道の2本のスポーツからなっている。人物はほぼどちらかのスポーツにかかわっていて、弓道側のメンバーが本来読みたかった能のマンガにもつながっているようだ。

 

それにしても成田美名子さんの絵はいつみても美しい。この作品は20年ほど前のものなので主人公はガラケーだし、ところどころ古さを感じるけれど絵の美しさにそんなことも忘れてのめりこみ、そういえばこんなことあったよなーと昔を懐かしむ楽しみもあった。少女漫画らしいストーリー。

 

さて、次は能の話だ!