Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#201 英語の勉強を再開!まずは語彙の獲得のために何をすべきか考えてみたよ

 『言葉をおぼえるしくみ』今井むつみ 著

生後どのように人が言葉を覚えていくのかを紐解く。

 

そろそろ1月も終わり。在宅勤務が続いているが、2/7以降はどうなるのだろうか。相変わらず都内の感染者数は四捨五入すれば千人近いがこのまま解除になるのかもしれない。

 

解除予定まであと1週間。少し英語の勉強をしようかとこの本を読み始めた。英語の勉強の中で最も楽しくないのは、少なくとも私にとっては、英単語の学習がトップに来る。言葉を覚えるには文法という骨組みと肉となる語彙が必要だけれど、その半分となる語彙習得がかなりかなり苦手である。

 

この本は幼児がどのように言葉を覚えていくのか、言語発達の過程における名詞、動詞、形容詞、助詞、擬態語の習得を具体的な実験の結果とともに詳しく説明している。言語学や教育学などに関心のある人ならば絶対に楽しめる内容だと思うが、私のように外国語習得過程での語彙の増強を目指す人には11章の「外国語における語彙の学習」だけでも十分だと思う。

 

まず、どのくらい単語を覚えるべきなのか。この本の中に、こんな表現があった。

 

アメリカの高校3年生は、少なくとも4万語前後の単語を知っているといえるそうである。

 

4万とはなんと遠い!日本で販売されている単語の学習本を見ると、平均して2000~3000語だと思う。4万語とはなんと遠い!しかし覚えるだけではなく、アメリカの高校生のように使いこなせなくてはならない。読む、聞く、書く、喋るができなくてはならないわけで、「読むだけでいいんです」というならば淡々と語彙を増やしていけばよい。それを使えるようにしなくてはというのならば、どうしていけばよいのだろう。

 

ヒントはマッピングにあるらしい。マッピングとは頭の中にある語と語の関係を繋いでいく地図のこと。類語や反語など、語の関係性はすべて単独ではなく他の語との差異をはっきりさせることで定着していくようだ。

 

子供の目の前に現れるものはほぼすべて新しいものであり、それらにはまだ名はない。例えば色や大きさ、形の差異が示す範囲を一つ一つ手探りで探していく。そしていつか感覚をつかみ、マップに書き加える。

 

幼児の言語習得体験を読みつつ、「ああ、同じだ」と思ったことがあった。それは形容詞や副詞などの感覚を得ていくことの難しさだ。この本の中ではorangeの色味の差についての例があげられている。日本人にとっては茶色の範疇の色をアメリカではorangeと訳す場合があると言う。人によって感覚差というものがあるし、形容詞は名詞を、副詞は動詞を修飾する。「これだ!」と思う感覚をつかむには、名詞や動詞の習得具合にもよるわけで、いっこうに夜明けが見えない気になってしまう。

 

ということで、この本にヒントを探した。

 

単語 の 意味 は 単語 単体 では 決まら ず, それぞれ の 意味 領域 の 中 に 属する 一群 の 関連 する 単語 同士 の 間 の 関係 の 中 で 決まる。 これ は とり も なおさ ず, 一つ の 単語 の 意味 を ほんとう に 理解 する ため には, その 単語 と 同じ 意味 領域 に 属する 他 の 単語 との 関係 を 理解 する 必要 が あり, さらに, その 意味 領域 が いくつ の 単語 で どの よう に 概念 が 切り分け られ て いる か という こと を 理解 する 必要 が ある という こと だ。

 

これはつまり、単語一つを覚えていくだけでは図に書き入れることはできない。関連性をつかみ、語と語とをつなぎ合わせることが語彙を増やす近道のようだ。似ているだけではなく、どう違うのかがわかってこそ、言葉を使うことができるわけだ。

 

語 を 母語 話者 の よう に 運用 できる よう に なる ため には, ある 語 の 意味 の 辞書 で 与え られる 語義 を 暗記 する だけでは 不十分 で あり, 意味 領域 全体 が どの よう な 語 によって, どの よう な 構造 で, どの よう な 意味 地図 に 構成 さ れ て いる のかを 理解 する こと が 必要 とさ れる。 その 上 で, 当該 の 語 の 意味 を 点 として では なく, 面( カテゴリー) として とらえ, カテゴリー の カバー 範囲,内部 の 構造, 隣接 する カテゴリー との 関係 を 理解 し て いか なけれ ば なら ない。

 

 

 外国語を学習するものは母語の干渉を受ける。つまり、子供が体験をもって意味を探り習得する過程とは異なり、新しい単語に母語の意味を当てはめる傾向がある。この本の中では中国語や英語の習得過程での実験結果が掲載されている。wearという学習初期に学ぶ単語について、日本人がいかに間違えて認識しているのかという話に、日本で販売されている単語帳のように1対1で単語の意味が説明されるというのは最終的に非効率的であるということがわかった。

 

ここで紹介されているのがプリンストン大学が提供しているWord Netだ。

 


Word Netで先のwearを調べてみた。

 

f:id:Dahliasbook:20210131092922p:plain

日本人は「着る」という行為にwearを適用させてしまうのだが、本来は「着ている」状態を表すのだそうだ。着るという行為はput onであらわすのだそうだ。動詞の1番上にあるようにbe doressed inが正解。

 

こういった語の持つ背景をどのように自分に取り込んでいけばよいのだろう。この1週間で英語のレベルを上げたい。以下、自分がやるべきをメモにして残しておくことにする。

 

1.単語の持つ意味を把握する

既存の単語帳の1対1の形式より、コロケーションなどの本を利用して背景を意識した単語学習を心がける。

 

<追加購入したい本> 

Paperback Oxford English Dictionary 7/E

Paperback Oxford English Dictionary 7/E

 

 英英辞書をメインにつかう。オンラインのものもよいけれど、ここはあえて紙で。今なら1300円くらい。 

Oxford Collocations Dictionary For Students of English (Book & CD)

Oxford Collocations Dictionary For Students of English (Book & CD)

  • 発売日: 2009/05/05
  • メディア: ペーパーバック
 

 コロケーションとは語と語の連なりのことで、この辞書で正しいつながりを確認できる。例えば、靴は「履く」が正しく、「着る」でも「付ける」でも「はめる」でもない。「履く」を導きだすための辞書である。これは少し高くて4500円くらい。 

 ケンブリッジ出版の有名なシリーズの単語版。4冊出ていて、1冊4000円近いのが懐に痛いところではあるが、サンプル内容を見る限り有益。

 

(2冊目)

English Vocabulary in Use Pre-intermediate and Intermediate Book with Answers and Enhanced eBook: Vocabulary Reference and Practice

(3冊目)

English Vocabulary in Use Upper-Intermediate Book with Answers and Enhanced eBook: Vocabulary Reference and Practice

(4冊目)

English Vocabulary in Use Pre-intermediate and Intermediate Book with Answers and Enhanced eBook: Vocabulary Reference and Practice

 

2.多読

ありがたいことにKindleでは簡単に洋書を購入できるので、まずは児童文学など好みのものから読み始めていきたい。

 


しかし、英語を学ぶにはやはりお金と時間がかかるわけで、片手間に目的意識も曖昧なまま「なんとなく」では一生身につかないどころか、お金を捨てるも当然だ。近く訪れる新しい仕事のためにもここは短期集中でものにしたいと思う。