『カラオケ行こ!』 和山やま 著
中学生が歌を指導。
和山やまさんの新作が出ていたので早速購入。またもや独特な世界観だった。
1作目
2作目
独特なシュールさがありハマる人にはどハマりするだろう作風で、 沼にすっかり捉えられてしまった気分。笑える作品なので敢えて分類するならばギャグマンガになるのだろうが、ギャグマンガは「がはは」と笑うようなあけっぴろげな笑いがあるような気がするので、やっぱりどこかそぐわない気もする。どちらかと言うと「ニヤリ」と笑うタイプの作品で、その笑いが後を引く。
1作目の衝撃たるや、来たこれ天才と思った。ありえないシチュエーションなのだけれどなんとなく「うん、アリ」と思わせる説得力がある。そして2作目の学校モノもやっぱり絶対にありえないことが起きるのだけれど、これもまたジワジワくる笑いに引っ張られてしまう。
3作目、舞台は関西。登場人物は中学3年合唱部の聡美くん(男子)と自称ブラック企業勤務(社会に抗う組織のおにいさん達)の狂児。狂児のいる組は組長の方針というか、趣味というかで年に1度大々的なカラオケ大会が開かれる。組長が審査員でダメ出し部分を加点していく方式で判定され、最後に最も点数が高い者(=一番歌が下手だった人)は組長直々の入れ墨が掘られてしまう。
狂児は組長に入れ墨を施されてしまうことを回避しようと合唱大会で目をつけた聡美くんから歌を習うことにした。ちなみに組長の入れ墨は完全に素人レベルなので決して素敵なものではなく、子供のお絵かきレベルである。歌の練習をしながら二人が親しくなっていく様子が描かれているのだけれど、まずもってありえないシチュエーションが今回も延々と続く。
笑いの度合いで言えば、個人差はあるけれど1作目>2作目>3作目かな、という気がした。まあ、1作目は強烈度が高すぎる故というところもあるけれど、今回もシュールに地味に長く笑わせてもらった。
希望としては2作目の続編が出ることだけれど、このまま読み切りの作品が続いていくのだろうか。シリーズものを読んでみたい。