『かしましめし 1〜3』 おかざき真里 著
コミック。美大卒の3人が一緒に暮らしながらごはんを食べる。
ふと気がつくとアマゾンのプライムデーのセールが始まっていて、物色している時にこの本を発見。早速購入し一息に読む。食がテーマとなっている風だったので格安になっている今がチャンスとばかりに今出ている3巻までを大人買いした。
食がテーマとなっているものとしては、記録に残しているものでは「あたりまえのぜひたく」がある。
この本はかなり使える本だと思っているので、メモを取ったりしながらいくつか作ってみたりもした。手元においてある料理テーマのマンガもまだいくつかあるのだけれど、これはまた近く読み返した時に記録として残していきたいと思う。
さて、かしましめし。
美大の同級生3人が、卒業後に同級生の葬儀にて再び再会し、交友を深め直すところから物語がスタートする。それぞれすでに仕事を持っているのだけれど、千春は一流のデザイン会社に就職したのだが、パワハラ?いじめ?的なものでストレスを抱え、仕事を辞めた。ナカムラは企業の広報部に居たのだが、社内恋愛が実りそろそろ式を上げる段階になって彼氏の浮気発覚。しかもお相手が妊娠とヘビーな状況に陥ったにもかかわらず、周りの目も気にせず今も同じ会社で働いている。この程婚約破棄の後に転勤となっていた元彼が東京に戻ってくることとなり、今度はナカムラが部署異動を申し付けられることになった。最後の一人は男性の英治。同級生の葬儀の時、なんと千春と英治はその故人の彼と付き合っていたことがわかった。つまり英治はゲイである。母親にカミングアウトはしているが、周囲には伏せている。
そんな3人が千春の家に集まり、たびたびごはんを作ってできたてを美味しく食べるというのがこの作品中での「料理」になる。こんな感じ。
この日は英治が腕を奮っていくつかこさえていた。(3巻)これはレシピが乗っているページなのだが、それぞれこんな感じでまとめられているので気に入ったものがあれば簡単に再現メニューを楽しめるという親切な作りだ。
メニューは和洋折衷の創作料理のようなものが多く、登場人物の年齢が20代後半ということもあり割とボリューミーなものが多い。家にあるものでさっと作りました!な創作料理なのだが、残念ながら私の好みとは少し違うものが多かった。理由は食材や調味料など、出来る限り手作りしたい派なので、インスタントは防災用以外ストックしていないからだと思う。
まず、オリジナルメニューとちょっぴり違うものに発展させるようなものがいくつか出てくるのだが、手を加えるにあたりトマト、チーズ、にんにくが入るものが多い。例えば、ミネストローネにインスタントの味噌ラーメンを加えるというものが1巻に出てくる。割と簡単に味の想像が出来るけれど、これを作るためにわざわざ味噌ラーメンを買ってくることはないだろうな、と思った。だったらパスタや冷凍うどんでもいいかな、と。和の調味料(出汁とか醤油とか味噌とか)を加えればイタリアンもちょっと目先の変わったものになるのは知っているけれど、私ならせっかく美味しくできたミネストローネを冷凍ストックしておいたのならば、もう少し違った使い方をすると思う。
そしてコンビニであるものを使ってのひと手間料理がいくつか出てくる。揚げ物、餃子などなど。2巻で3人は千春の家で同居することになるのだが、毎日こんな風にお料理していたら食費が大変なことになってしまいそうだ。など、主婦目線で見てしまうところもあった。ただ、コンビニで出来合いのものを買ってきてそのままレンチンで「いただきます」ではなく、ちゃんと調理しているというところはすごいなと思う。今のコンビニごはんは立派なものが多いから、出来合いのものですでに美味しく頂けるものも多い。でも食材ちゃんと買って、みんなでアツアツを囲んで食べるという醍醐味はより一層ごはんを美味しくするだろうなと羨ましくなった。
この頃人と一緒に食卓を囲むことが少なくなってしまったので、ほんわかと温かいごはん時間を思い出させてもらった。