Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#116 なぜ巷で「筋肉」「たんぱく質」と盛り上がっているのか、やっと理解できました

『眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話』藤田聡 監修

筋肉を作るためにはたんぱく質が必要だ。ではたんぱく質の豊富な食とは?上手な食べ方とは? 

 

食欲の秋、読書の秋、そしてスポーツの秋である。スポーツか。体を動かすことすら余り得意な方ではないのに、今年は更にコロナ禍でインドア生活に磨きがかかっている。狭い家の中でせいぜい立ったり座ったりくらいなので、ますますスポーツから遠のいた生活となり体が重く感じられることしばし。

 

そこでストレッチなど自宅で出来ることを取り入れてはいるのだが、それだけでは足りないらしいということを知った。ちょっと検索するとコロナ禍のインドア生活で体がなまって仕方がないという人が多いのだろう。コツなども盛り込んだ紹介記事が山ほどヒットしてくる。

 

20歳あたりをピークに体はそこから下り坂の一途らしい。代謝も悪くなり、筋肉量も意識していない限り落ちていくものらしい。キングカズが53歳にして現役で、ついこの間J1最年長出場記録を更新されたが、日々の努力は尋常ならざるものなのではないだろうか。イチローの現役時代のエピソードでも基礎的なトレーニングをもくもくと毎日行っていたとのことだけれど、10代の頃から体を動かすことを生活の一部としていた人でも毎日休まずにトレーニングをしてこそ活躍できるのであり、少しでも休んでしまえば筋肉は落ち、プロのスポーツ選手にとっては死活問題となってしまうのだろう。

 

一般人でも年齢を重ねるほどに筋肉を維持するトレーニングは必要らしい。高齢者の怪我は命にかかわることが多いし、若ければ転倒したくらいでは打ち身程度で済むだろうけれど、高齢者は骨折など大事に至る。ということで、ストレッチだけでは長生きできんぞ、という意味をこめて筋トレをしてみようと思うのである。

 

とはいってもなかなか馴染みの無いことを生活パターンに取り入れるわけなので、出来る限り効率良くやりたい。アマゾンで本を物色していたら、おすすめとしてピックされていたこの本にむしろ興味が湧いてしまった。

 

たんぱく質といえば、肉や魚や豆などがある。どれも馴染みのある食材であるが、一体なぜトレーニングとたんぱく質の本が並べて紹介されているのだろう。巷ではプロテインの話もよく聞くが、そもそも筋トレとたんぱく質ってどういう関係?と疑問を募らせていたのだが、この本で一気に目の前が晴れ「よし!たんぱく質食べて筋トレだ!」と俄然やる気が湧いてきた。

 

そもそも筋トレする人は少なからず痩せたいとか、ボディーラインを整えたいなどの思いがあるに違いない。たんぱく質を摂ると脂肪を燃焼させやすい体となり、ぽっちゃり体型がぎゅっとしまった体になる。たんぱく質は摂取したうちの約30%もがエネルギーとして消費され、たんぱく質を摂った分だけ脂肪も燃焼しやすくなる。筋肉の量は基礎代謝量にも比例するので、筋肉をつけるほどますますエネルギー代謝のよい体になるという基本情報を得た。監修しておられる藤田教授は立命館大学スポーツ健康科学部で「骨格筋たんぱく質代謝応用」という何やら難しいテーマを研究しておられるとのこと。この研究題材のタイトルだけでも筋肉とたんぱく質は深くつながっているのだな、と教科書を読んでいるような気持ちで読み進めた。

 

年齢とともに筋肉量が減るわけだから、代謝も悪くなり痩せにくくなるのは当たり前だ。筋肉を作るのはたんぱく質と日々の運動である。この本を通して読むと、まずは筋肉がいかに大切かということがわかる。いつまでも健康でいる秘訣は筋肉!と断言してもよいほどに体の基盤であって、それこそ息をする行為だって筋肉があってこそ可能なわけであるから、体作り=健康というのはうなずける。そこにたんぱく質が登場するのは、たんぱく質が脂肪になりにくく筋肉を生む栄養素であるからで、それ故積極的に摂取すべきという理由がある。

 

更にたんぱく質は髪や肌や爪をも作る。これらを作る材料がたんぱく質であるということは、欠如によって肌はボロボロ、髪はパサパサと目に見える形で不足が美容面でも現れる。歳を重ねるごとに美しくあるというのはお金がかかることだなーと思うのだけれど、20代の頃はそれこそプチプラの化粧品でも十分だったのに、今や美容液だのアンプルだのあれこれお金をかけているくせに、何もしていない10代20代の肌には到底戻れない。アンチエイジングの化粧品は驚くほど高価。家賃の何倍もする化粧品を使う前に、まずは食べ物でしっかりと栄養を補い、肌のターンオーバーを少しでも正常に行えるようにしなければ、高価な化粧品もトリートメントも意味がないということにハッとした。目安の量は以下で計算できるのだが、たんぱく質を一日50グラムとすると、卵が1つ7グラムとして7個ほど食べなくてはならない。たんぱく質を摂取するというのは割と難しいことかと思えてくる。

 

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 今はサラチキや水煮なんかもたくさんあるので上手にメニューに絡めれば一日40グラムくらいなら行けそうな気がする。最近は一日一食で丁度よい感じなのだけれど、朝は食べるようにとのことなので食生活も見直さなくてはならない。ギリシャヨーグルトはたんぱく質が豊富らしいので、これからは朝はせめてヨーグルトとたんぱく質入りのドリンクでも飲もうかなと思う。あと豆乳は思ったほどたんぱく質が無いらしい。紙パック入りのものが約200グラムで、たんぱく質量は10グラムとのこと。お気に入りの無調整豆乳「ふくれん」のデータだけれど、無調整のものとしては大差ないと思われる。ふくれん、おいしいのでおすすめ。

 

筋トレ本の表紙は大抵マッチョなお兄さんお姉さんのイラストや写真がどーんと乗っかっているので今まであまり手に取ることもなかったし、栄養素としてのたんぱく質にもさほど注目する機会がなく、せいぜいお肉やお魚は体にいいよ♪くらいの知識しかなかったので、この本は大変ためになった。むしろ筋トレ好きの人にとってはすでに既知の内容ばかりかもしれない。けれど私のようなインドア派で美容と健康に関心を持つようになった人や、高齢者で自身の体力に不安を感じるようになった方には是非おすすめしたい。

 

ふと見回すと筋トレやってます!な人が身の回りに結構いた。そういえばプロテイン入り飲料を飲んでいる同僚もいたな、と今更ながらブーム?に気がついた次第である。なぜ故にそこまで筋トレに励むのか。筋肉信奉者となってしまうのか、この本でやっと意味がわかった。健やかな精神も美しい容姿も全てつながっている。