『深川二幸堂菓子こよみ 三』 知野みさき著
二幸堂も完結の模様。光太郎と考次郎の幸せや、いかに。
最初に都内で外出自粛が呼びかけられた3月末よりずっと、自分でも驚くほどに自粛生活が板についてきた。続いているというか、罹患したくない一心でほぼ家にいるだけのこと。まず人の多いところには一切出かけなくなった。毎週のように通っていたデパ地下にすら一度も行っていない。ランチで外食することも極端に減った。もともと自炊が多かったのだが、ごほうび的な洋菓子もほぼ買わないし、スーパーに行く機会も減り、行くとしても人の少ないであろう時間に訪れている。つまりは、自分で作ることのできないものは一切食べておらず、美味しいものと無縁の生活を5か月余り送り続けているわけだ。
自分で作れないものと言っても、がんばればもちろん作れるものもある。ただ、食材を揃えるだけで外で買ってくるものの数倍に膨れ上がるものもあるわけで、手作りを断念せざるを得ないものが数多い。その最たるものが和菓子である。
この作品は和菓子店が舞台なので読んでいるだけで食べたくなってくる。近場のスーパーに行けばカップに入ったみたらし団子もあるし、一つ100円くらいの大福も売っている。ただ味は専門店にかなうはずもなく、食べたい気持ちがより膨れ上がる結果となる。
この二幸堂シリーズは3冊で完結となった模様で、江戸で一番の餡だという考次郎のお菓子のお話は一旦お開きとなった。光太郎も考次郎も味わい深いキャラクターで、兄弟仲の良さにほろりとしたり。二幸堂で働くお七もなんとも人情深く、そして今の時代ならばマツコの知らない世界で餡菓子について語るであろう江戸のお菓子を極めた人である。(食べる方のみだが)
ストーリーよりも和菓子の話が知りたくて読んだようなところが大きいが、時代小説らしいほんわかした温かさに触れたかった部分も大きい。そしてこの小説を読んでいる間、ずっと和菓子熱を募らせていたのだが少しだけ心を落ち着かせるものに出会った。わが屋から徒歩圏内にある和菓子屋は2件。一つはチェーン店でもう一つは地元のお餅やさんだ。たいやき屋さんもあるけれど、でも心が欲する和菓子とはちょっと異なる。和菓子熱がどうにも収まらなかったある日、偶然見つけたのがビオセボンのおはぎ。びっくりするくらいに本格的だったので、最近はもっぱらビオセボンで満足している。
おいしくて安心。いま食べたい"わたしサイズ"が見つかる、ビオセボンのデリカコーナー | Bio c' Bon(ビオセボン) - パリ発のオーガニックスーパーマーケット
早くコロナ禍が収まり、以前のようにお菓子やめぐりができますように。