『つばき』山本一力 著
江戸は深川を舞台とした料理屋のお話。
昨日読んだ『だいこん (光文社文庫)』の続編。まだまだ続きそうな予感のある内容である。
一冊目は浅草が舞台だったが今度は深川。つばきはひょんなことから売り言葉に買い言葉で浅草の店を手放し、深川へと新たな道を進むこととなる。
この小説のテーマについて考えた。居酒屋が舞台であることから料理が中心かと思い購入に至ったが、2冊読んでみるとむしろ経営のほうが近いのでは?という気になった。女ながらに店を運営し、新しいことにも臆さず、礼儀や伝統や仁義に厚い。それがすべて商才となり、次々と起こる問題を解決していく。最初は小さく始めた商いだが、いつぞや日本橋の大商人とのお付き合いまで広がっていく。
恐らく続編が出てくると思うのだが、どうしても高田郁さんの作品とかぶってしまうところがある。とはいえ、つばきの未来はどうなるのか、江戸の経済はどうなるのか、悪循環をどのように乗り越えるのかが楽しみだ。