『消えないレセピ 娘へ継ぐ味と心』野村紘子 著
長い間気になっていた本、ついに購入した。実は野村紘子さんという方がどんな方なのか全く知らずにいたのだが、レシピ本を検索していると必ずオススメとして上がってくるようになって数年、評もとても良い上になにより受け継ぎたくなるような味とはどんなものだろうかと気になっていた。
著者について検索してみた。
茶道や華道を通して学んだ日本の文化を大切にし、料理上手で人をもてなすことが大好きだった母から、多くを学ぶ。センスある料理やおもてなしは、若い世代の人たちにも人気。雑誌『ミセス』『暮しの手帖』などで活躍。著書『娘へ継ぐ味と心 消えないレセピ』(文化出版局刊)は、グルマン世界料理本大賞2016にてグランプリを受賞。
娘の料理人・野村友里は東京・神宮前にあるレストラン「restaurant eatrip」、表参道・GYRE4階のグローサリー&エクスペリエンスショップ「eatrip soil」を運営。息子の野村訓市は編集者・デザイナーとして国内外で活躍。
ウェブサイト「JOURNAL EATRIP」では、“cocco(コッコ)”の愛称で、四季折々のレセピを紹介している。
URL:www.babajiji.com
「暮らしの手帖」でご活躍と聞き、やっぱりなと思わずにはいられなかった。一つ一つが丁寧に暮らしていることの証拠のようなものが多いのだ。季節を忘れず、手仕事を愛する。隅々にセンスの良さが現れている。
今まで読んだレシピ本とは全く異なる編集方式が使われている。まず写真がレシピ本というよりは、テーブルデザインやインテリアの本のような美しさ。もちろん食器も素晴らしい。それはいくつかのレシピ本でも食器の選び方に特徴があったりするので特別ではない。それよりも雰囲気が違うのだ。カメラの角度やフォーカスが違うので、見慣れた料理本らしさからは遠いものと感じた。
そしてレイアウトがこれまた異なる。1ページにひとつふたつのレシピといった法則があるのではなく、写真があって、その写真も時にカラー、時に白黒でその後にエッセイっぽいものがあったり、すぐにレシピがあったり。月ごとにまとめられており、4月からスタートして3月で1年が終わる。そして最後に索引があり、●手土産に喜ばれる一品、▲15分でさっと作れる料理、■大勢のお客さまのときに、とマーク付されている。
どんな思い出があって、どんな風に楽しんでという思い出が詰まったレシピ集。思い出した時にぱらぱらとめくり、レシピのアイデアを得るのに向いているかもしれない。