Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#033 ビジネスにおいてもカントリー・リスクは恐ろしい

2020年3月、選挙直前に発売された元日本大使の本。 

文在寅の謀略

文在寅の謀略

 

昨日に引き続き彼の国関連の書籍を読んでいる。時系列で著者の作品を追うならば2019年に出された書籍がもう1冊あるのだが、直近のもののみを入手。

 

結論から申し上げると、ビジネスで彼の国と接するにあたり地政学リスクが大きすぎることと、今後リスクヘッジしていかなくてはならないのはグローバルな地政学的変動のみならず、彼の国の方々の気質も重々注意しなくてはいけないということ。

 

韓国のマスコミ、とりわけ強い影響力を持っているテレビメディアが、事実上政権への批判をほとんどしなくなっている。それこそが、文在寅政権の強みなのだと、私は考える。スキャンダルがあろうと、テレビメディアを使ってダメージをコントロールし、負のイメージを直接抑えることができるのは大きい。 

 (中略)

青瓦台そのものが、自分たちに都合のいいニュースを大げさに表現したり、都合の悪い事実をわざと省いたりしてブリーフィングすることが、すでに世界中に知れわたっている。

 

常々「彼の国の方々の世界に対する認識、ちょっと違うな」と思っていた。日本に対する偏重報道は予定内だけれど、欧米に対する認識もかなり異なる。東南アジアについてもそうだったし、そもそも彼の国人とその他外国諸君の抱く彼の国に対する知識もかなり異なる。それは政権がメディアをコントロールしていることに原因があるようだ。

 

最近の輸出管理適正化処置についても『規制』と言って憚らないが、これなんかも意図的に国民をミスリードさせるための政治手段だと思っているんだろう。そしてまた激情型の彼の国人たちは簡単にその罠にハマるんだろうなー。

 

文在寅政権の失政によって近い将来、韓国経済は深刻な状況を迎えるだろうが、韓国のマクロ経済が急に崩壊することはよほどの大事件でもない限り考えにくく、ゆっくり、じりじりと悪化していくことになる。その生活ベースのしわ寄せは現在のところ、江南左派の中心よりもっと若い世代(民主化とは直接かかわっていない四十代以下)に集中している。

 

彼の国との商売をしている人たちは「それで今後どうなるの?」という気持ちが強いと思う。新規の話なんかが入ってきた日には担当レベルでは決めかねる話になってきたということだろう。そして元日本大使の仰る内容によれば彼の国の経済は今後下降の一途をじわじわと辿ることになるようだ。なおさら自分ひとりで責任を負えるようなものではなくなるのかも。スポット的な対応でもタイミングが悪ければこちらが泣き寝入りせざるを得ない状況になるのだろうか。怖すぎる。

 

もはや、韓国の「レッドチーム入り」は既定路線であり、時間の問題である。すでにその動きは始まっていると考えるべきだ。もはや何がいつ起きるのか、注視する段階になっている。

 

現政権が親北政策を取っているがゆえのレッドチーム入りとなると、今後何が起きるのかは私のような素人には全く予想ができない。それ故、怖いのだ。今の政権が取った政策が中小企業の廃業を招いているという。知名度のある財閥企業でも、蓋をあけると中小企業のようなところがたくさんある。今創業者から数えて3世代目とか4世代目の財閥のエンブレムだけを貼り付けたような企業は果たして今後どうなっていくのだろうか。彼らは「私ら財閥です!」と胸を張っているようだが、そもそも財閥が淘汰されたり解体というようなことにでもなれば、こういった企業の命も危ないわけで、取引しちゃった側としては「リスクヘッジ」が足りなかったことになる。

 

韓国は全輸出の四分の一、香港を含めると約三割を中国に依存しており、「香港に次いで中国の影響が強い国」と言われる。いっぽう現代自動車は、中国からワイヤーリングハーネスという部品の供給が途絶えたため、韓国国内での操業を一時停止した。この例から見てもわかるとおり、両国経済は完全に一体化しているのだ。

 

米中関係が経済に影響を及ぼせば輸出の40%ほどを中国に依存しているならば大打撃どころの話ではない。調整によるしわ寄せが日本の取引先にも訪れる可能性もある。

 

外国人が韓国への投資を鈍化させる理由はさまざま考えられるが、ひとつは、もはや現在の韓国は投資に見合う魅力が少ないということである。低成長時代に突入し、賃金は高くなり、労働時間は短くしなければならず、労働組合はストばかりで、政府は北朝鮮のことしか考えていない。経済政策は紆余曲折が見られ、行き当たりばったりである。韓国では、「いま韓国に投資する人は愛国者だ」という声さえ聞かれる。外国人が投資する際、カントリーリスクを考慮するのは当然であり、国の安全が担保されていることは最低条件だ。戦争リスクのある国に投資する者などいない。 

 

 同意。私は投資家ではないけれど、取引というだけでもリスクを感じる。アンダーラインを引いた部分、カントリーリスクが大きすぎる。そもそも日本憎しですべての項目を結びつけるがため時事を読み切れていない人たちを相手に何も面倒な思いまでして対応する必要はないんだろうな、と思う。製品の質という問題にあえて触れずにいたが、ここでもすでにリスクは生じているので、これ以上の対応すべき項目が増えるとなると、その労力を別のところで使う方が効率的では?と思えるのだ。

 

 元日本大使の2冊を読み、やはり「カントリーリスク」という単語のなかに多彩なリスクが詰め込まれておりこれは素人が生半可に手を出してはいけない分野だということを再確認するに至った。やはり気をつけるに限るということを肝に銘じ業務にあたろうと決意。