Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#025 ベーシックなマイパターンを作るとき、必ず参考にする本

 スタイリストの菊池京子さんが選んだ春夏シーズン毎日のコーディネート。2014年のものだけれど今でも十分通用するファッションのバイブル的1冊。

K.K closet スタイリスト菊池京子の365日 Spring-Summer

K.K closet スタイリスト菊池京子の365日 Spring-Summer

  • 作者:菊池 京子
  • 発売日: 2014/03/31
  • メディア: 単行本
 

緊急事態宣言が解除となり、これは明日から何を着ようかと考えた。リモートワークが始まった頃はまだ桜が咲く前だったからコートを着て出勤していた。衣替えのシーズンには傷んだ服やデザインが古くなったもの、似合わなくなったもの、サイズが合わないものなどは思い切って処分。これからはファーストファッションは上手に流行ものを取り入れるためのものと決め、安いからといくつも買わないことにした。ベーシックなものは長く大切に着られるものに、アクセサリーもじっくりと向き合っていけるもののみを手に入れることにした。何よりも自分が着たい服を買おう、質の良いものと暮らしていこう、そう決めてからクローゼットに何を揃えるかの価値観が変わってきた。

 

とはいえ、何がベーシックなのか。長く着られるものという概念も、素材が良くて長持ちするという意味のみであればカシミヤやシルクをどんどん買えばいい。名のあるブランド製品を選べばいい。私が気にしているのは、加齢に伴い40代、50代、60代と歳を重ねるのは必然であるから、それぞれの年齢でも着用できるデザインや色でなくてはならないということ。あとお直しができるようなものでなくてはと思う。

 

去年イタリア製のカシミアのロングコートをお直しに出した。銀河鉄道999メーテルが着ていそうな黒のロングコートだった。これはもう10年以上前に買ったもので愛着がある上、機能性にも優れている。なによりとても温かい。ただここ数年、なかなか袖を通す機会がなかった。理由は少しサイズが大きい感じがして今風に感じられなかったからだ。10年前のデザインなので少し余裕のあるサイズ。でも今はそんなにゆったりと着る事はない。なので腕のデザインを少し細く、着丈を20センチほど詰めてもらった。3万円しなかった思うので、新しいコートを買うよりはお買い得だったし、なによりも大切にしていたものを新しい形で着られたことに嬉しく思う。

 

基本的に衣服の流行というのは業界で作られているものだという印象があるし、なにより雑誌のモデルさんとは似ても似つかない自分が全く同じようなファッションに挑戦するのもどうかと思う。でも「こんな風に着こなしたい」と思えるスタイルはいくつかあって、菊池京子さんのコーディネートはいつも参考にしている。

 

ここ数年はスタイリストさんの書籍がたくさんでてきるし、手ごろな価格でおしゃれを実現するような指南書もたくさんある。でも結局私はいつも菊池さんをはじめ数名のスタイリストさんの書籍に立ち戻ることが多い。まず、この本のすごいところは春夏シリーズのほかに、秋冬バージョンもある。年間の服装を一貫して作ることができるという便利さたるや、ほかの本では絶対にカバーできない。

 

毎日のコーディネートが出ているので、季節の移り変わりをどう乗り切るかのヒントが多い。例えば沖縄の人が12月の東京に遊びに行こうという時、季節感がわからないので何を着ていいのかわからない。そもそもコートだって地元にはそんなにたくさんあるわけでもないし、現地で調達するのもいいけれどできれば手持ちで済ませたい。もしくは、北海道の人が3月に東京に出張することになった。でも季節感がわからないので何を着ていいのかわからない。3月の東京は10度以上になる日もあるけれど、北海道はまだまだ一桁の気温だから温かいコートは必須。10度って何を着てたかな?など、東京の季節感がわからない人にはかなり参考になると思う。

 

まだある。適度にグローバルなこと。菊池さんの服をアジアの人が着ていても、フランスの人が着ていても、アメリカの人が着ていても違和感がない。例えば私たちも街中を歩いていて外国の人が前からやってきたら、同じアジア人でも髪型やファッションをヒントに日本人じゃないとすぐにわかると思う。外国に詳しい方なら瞬時にどこの国の人かまで当てられると思う。菊池さんのスタイルは日本に固執していないというか、外国でも悪目立ちしないものが多いと思う。日本の女性は服装と歩き方が違うらしい。外国で指摘されたことが何度があるけれど、私が聞いたことがあるのはチュニックやロングカーディガンなどおしりが隠れる服を着ているのはなぜか?という質問が一番多かった。あとは化粧がガチなのに小学生みたいな格好(ボディラインを出さない)のはなぜ?というのもあった。

 

私がこの本を常々参考にしているのは、色の組み合わせがキレイだからの一言につきる。そして流行に走りすぎていないのでこの本がでで5年以上経つけれど同じようなファッションでも決して浮いているような気分にさせないから。だからとても参考になる。ただ、通勤という意味ではかなりカジュアルなものが多いのでそこは自分で調整の必要がある。

 

日曜日は必ず一週間の服を決めてセットアップしている。無印良品のピンチ付きのハンガーを5本準備、月曜から金曜までのコーディネートを組み合わせていく。

www.muji.com

 

今日もクローゼットの中身を引っ張り出し、天気予報もチェックして明日からの4パターンを作った。必要なものにはアイロンもかけて準備万端。さてバッグをどうしようかと思案していたら、会社より「6月半ばまでリモート続けます」との連絡が。私の通勤着の悩みはあと数週間続きそうだ。