Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#024 初夏、そろそろ果物の季節です

お料理すること、食べること。食材を求める旅も健在。2011年のエッセイ。 

夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

 

曇り空から一転して久々の晴れ間となった。昨日まではカーディガンなどを羽織っていたが、今日は窓も開けTシャツで楽々と過ごしている。

 

ところで私の快適温度の基準はココナツオイルである。一応温度計も持っている。寒いと温度計に目をやると針は22度を指している。22度ならそう寒くないはずなのに体がひんやり。やっぱり寒い。そんなとき、キッチンに無造作に並べてあるココナツオイルを見ることにしている。白く固まっていたら「寒い」が正しい。今日のように「ああ快適」とお気に入りのマカダミアナッツチョコレートを頬張りながらミルクコーヒー片手に読書が進む日、ココナツオイルは透明のオイルになっている。ココナツオイルは20度で固体化するらしい。温度計も日当たりなどで誤差が出てしまう。春から秋はもっぱらココナツオイル計のほうを信用しがちだ。

 

ちなみにココナツオイル、何に使うかというと私は主にバター替わりにパンに塗って食べている。今使っているのはカンボジアのCOCO KHMER(ココクメール)のもの。東南アジアに行かれる方にお土産のリクエストを尋ねられるとき、私はたいてい「ココナツオイルをお願いします!もしくはココナツオイルの石鹸を!」とお願いしている。お気に入りはクルミ入りトーストにココナツオイルという組み合わせで甘さと香ばしさが病みつきになる。ココクメール、気になる方は下のサイトをどうぞ。

 

www.cocokhmer.com

久々の晴れ間、そして明日には緊急事態宣言も解除になりそうな雰囲気が濃厚になってきたせいか解放感が漂っている。早く日常が戻って来ますように。とはいえ、約2か月こもりっきりの生活を満喫しすぎて会社に通う日々を思うだけで気持ちが凹む。きっと日本中に同志がいるに違いない。

 

パンにはココナツオイルというスタイルが定着してしまい、ジャムを合わせることが極端に減った。とはいえ、冷蔵庫にはレモンカード、ラズベリージャム、ママレードだけは絶対に欠かさないようにしている。あと次点でブラックカラントとシンガポールのカヤジャムもあると嬉しい。そして懐に余裕のある時はルバーブ。これは絶対にクリスティーヌ・フェルベールのものでなくてはいけない。

 

思えば最近ジャムを作ったのは秋に1箱1000円くらいで大量にイチジクを買ったときの一度だけ。これは一人では食べきれないなと思ったのでジャムにした。平松さんがジャムを作るのは果物の旬を絶妙なタイミングで都合よく止めるためだそうだ。いちばん幸福なときに鍋のなかで時間を止めてしまう。

 

平松さんのすごさは、食べる、作る、書くのすべてが絶品であることだ。おいしいものを食べて文章にするのはとても難しいことだと思う。現に旅行先で食べたおいしいものの話をメールや電話で伝えるよりも写真一枚送ったほうがよっぽど通じることが多い。さらにその「おいしい」と思える舌もすごい。味覚全部が研ぎ澄まされている人は小さな頃の食生活がまさに食育であったからだという話をどこかで聞いた。

 

私は東南アジアの食事はあまり得意ではない。多分レモングラスココナツミルクが私の敗因だと思う。香りもお皿にのって出てくる姿もあまり楽しめない。あと辛いものもあまり得意ではない。特に唐辛子、にんにく、たまねぎが苦手だ。そうなると韓国料理やメキシコ料理はほぼ苦手。でも平松さんの文章を読んでいると、食べ方にも問題があったのではないか?と気が付いた。ベストの食べ方、タイミングというものがあるらしい。

 

あと何といっても信奉レベルでいつも頼っているのが平松さんのおすすめのキッチン道具だ。この本ではお茶のお話の中で京都の開化堂さんが出てきた。育てる茶筒として有名な開化堂の茶筒は私の憧れである。一保堂(京都の老舗茶屋)でもセットのものが販売されており、経年による茶筒の変化などについてのお話を聞いたのだが、あめ色のなっていく過程がなんとも風情があった。

 

平松さんのエッセイは読むたびにあれもこれもと心がざわついてしまう。いつか食べたい、いつか欲しいとメモがどんどん増えていく。しかも発刊から数年たっているのに今でもしっかりのれんをなびかせ営業しておられるところが多く、その審美眼にも驚かざるを得ない。ひとまず緊急事態宣言が解除となったら近くのお茶屋さんでほうじ茶を買ってきたいと思う。