Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#013 Kindleで名作に触れています

今使っているKindleは3代目でPaper Whiteのマンガモデルというやつです。もう3年くらい使っていると思います。Kindleが登場してから読書ライフが大幅に変わりました。個人的に感じているベネフィットは以下です。

  • 旅行などたくさんの本を持参する必要がなくなりました
  • 本の置き場所に困り泣く泣く断捨離する必要がなくなりました
  • 紙の本よりお買い得に購入できる書籍がたくさんあります
  • 読みたい!と思ったら本屋さんに行く必要なくその場でゲットできます
  • 洋書の購入がスムーズに!送料や到着を待つ時間が大幅減です
  • わからない英単語は意味を画面上でクリックするだけではOK!
  • 種類によりますが、文字の大きさを調整できるので疲れ目対策になります

etc....

 

中でも最近は無料で読める書籍が増えていること、特に古典が豊富というのが嬉しい。無料ですので多くの方におススメできればと思い、今後気に入った書籍をいくつかピックしてみたいと思います。短い作品が多いので出勤などちょっとした移動の際のおともにどうぞ。

 

コーヒー哲学序説

コーヒー哲学序説

 

 私が一番好きな戦前生まれの随筆家です。本業は物理学者でいらっしゃるのですが、熊本での高等学校時代に夏目漱石より英語を学ばれた影響でしょうか、文章はまるでイギリスのエッセイストの作品のようにユーモラスでウィットに富んでいます。いつか全集を!と思っていつつも購入に至らずにおりました。よーく見ると寺田寅彦の随筆が無料で配信されているではありませんか!なんとありがたい!数ある随筆の中から以前から気になっていた一冊を読みました。

 

寺田寅彦は1909年から1911年までドイツをはじめとするヨーロッパに留学しています。日本人は18世紀に長崎の出島に珈琲が持ち込まれて以降、飲用する文化を築き上げてきたんだそうです。(wikipedia参照)上野に可否茶館が登場したのが1888年だそうですから、1878年生まれの寺田寅彦も留学前からコーヒーをたしなんでいたんでしょうね。

 

コーヒーがいかに香り高く優雅な飲み物であるのか、愛飲家らしい思い入れから始まります。ベルリンでは随分とコーヒー生活を楽しんでおられたようで、行きつけのカフェのお話なんかも楽しいです。世界でも北欧はコーヒー文化の国です。ドイツもベルリンは割と北のほうですし、学会で訪れたスウェーデンではきっとフィーカが始まっていたかもしれません。ヨーロッパのカフェって建物も重厚で雰囲気がありますよね。きっと明治大正時代に留学した文士たちはみな、「緑茶飲みたい!」と思ったりする日もあったでしょうけれど珈琲を楽しむヨーロッパ文化に西洋を見ていたんだろうなーと想像したり。

 

面白いのがロンドンの話です。おいしくない、と。なんと珈琲ですらすでにおいしくないとのコメントにちょっと笑えてしまいました。そしてそれを学問に結び付けるウィットにもくすりとしちゃいます。ぜひ読んでみてください。

 

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