Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#012 美は一日ではならず!という話

なんだか唐突に夏になりましたね。昨日は扇風機を出し、夏準備です。

 

この間久々に本屋さんに出向いた際、『日本最高の英語コーチングスクール プレゼンス式TOEIC(R)L&Rテスト勉強法』ともう一冊購入しました。Amazonでの評がよかったので読んでみたいなぁと思っていた一冊です。写真が超絶美しいです。

 

冨永愛 美の法則

冨永愛 美の法則

  • 作者:冨永 愛
  • 発売日: 2020/03/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ファッションに興味?まずはスーパーモデルでしょ!な時代でした

日本でもパリやニューヨークでのコレクションが話題になったりテレビでもスーパーモデルの特集などを目にするようになったのは、おそらく90年代に入ってからじゃないかなと思います。私も『ファッション通信』という番組を楽しみに見ていました。日本人の日常生活では「これを着てどこにお出かけすればよいのかしら?」な素敵すぎるデザインばかり。それを大内順子さんがポイントや着こなしについて鋭いコメントを加えて下さるんですね。子供ながらに「ああ、こういう風にファッションを解釈すればよいのか!」と番組を見て勉強しました。

 

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大内順子さん、本当にすてき。大きなサングラスがチャームポイントでした。

90年代の最盛期に大活躍していたスーパーモデルです。

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左から4番目の方、今では元フランス大統領の奥様ですよ。

 

すごい日本人モデルが現れた!

ちょうど90年代の後半だったと思います。ヨーロッパ旅行に行った時のことです。日本人のモデルがランウェイを歩くようになり、瞬く間にトップスーパーモデルと並ぶようになった方がいらっしゃいます。川原亜矢子さんです。雑誌などにも写真が掲載され、友人たちも「彼女日本人でしょう?素敵よね!」と絶賛しておられました。どのぐらいすごいことだったのかを証明しましょう。下の動画をどうぞ。

 


"Chanel" Spring Summer 1994 Paris 1 of 4 pret a porter woman by FashionChannel

 

ご覧いただくとわかると思うのですが、94年のパリですよ。しかもシャネルですよ。スーパーモデルの中でもトップモデルの方が最初から最後までこれでもか!ってくらい登場するようなコレクションに抜擢というのはか相当認められたモデルさんでなくてはランウェイに上がることは出来なかったと思います。川原さんは3分55秒くらいから登場、ピンクのシャネルスーツを着ておられます。

 

ヨーロッパの友人曰く、当時の東洋系のモデルさんは下のデヴォン青木さんやジェニー清水さんのようにどこか中性的。切れ長の目で神秘的なモンゴロイドの役柄を担うようなスタイルでした。

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でも川原さんはエレガントで女性的。笑うとチャーミングだし、もちろんアジアの神秘さも持ち合わせている上にバランスが絶妙と大絶賛でした。

 スーパーモデル黄金期の後

2000年代に入り、日本では雑誌モデルが活躍、アイコン的存在になっていきます。テレビのバラエティー番組に登場したりなど、どちらかというとかわいい存在であったように思います。そんな中、この本の著者である冨永愛さんはスーパーモデルたちがそろそろ引退かな?という2000年代に活躍するようになったモデルさんです。日本の雑誌モデルさんとは一線を画していました。オーラが違いましたもんね。ただ、私個人のイメージとしては、彼女は果たして世界で言うところのスーパーモデルかしら?という疑問がすこーしあるんですね。90年代はあまりにもファビュラスでした。そして彼女たちがコレクションから姿を消し始めた2000年代は経済の低迷もありファッション業界自体も90年代とは異なる状態にあったのではないかと今でこそ推測できます。ですので業界時代が90年代より抑え気味になっていたのではないでしょうか。

 

冨永さんはそんな2000年代頃、山口小夜子さんや川原亜矢子さんの時代よりも多くのアジア人モデルが登場する激しい競争の中でランウェイに上がった方です。二十歳そこそこで世界の舞台ですから生半可な努力ではなかったと思います。実際、当時のインタビューなどを拝見したことがありますが負けず嫌いな方なんだろうな、という印象が強いです。

冨永さんのすごさ

ファッション業界、次々と若手が登場しますしモデルを目指す世界中の人が有名メゾンのコレクションに集中します。そんな業界に若くして身を置くということは並大抵ではない決意が必要でしょうね。だからこそ、二十歳頃の冨永さんのインタビューには人を軽々と寄せ付けないような勝気な女の子というイメージが残ったんだと思います。この本の中でもそんなお話がありました。

 

冨永さんのすごいところ。それは常に世界で活躍するモデルであり、日本のゆるふわモデルとは違うんだ!とい高潔ともいえるマインドをずっと持ち続けておられるということです。グローバルの中で生きておられるお方です。

 

この一冊は冨永さんのストイックさがぎゅっとつまった一冊でした。ひたむきな強さにあふれています。どのモデルさんもモデル時代と変わらない体形を維持していて当たり前。それどころか最近は「公」の立場としての発言も注目されることもあり、中身を磨く方もたくさんおられると思います。美的存在の代表としてモデルという職業があるというプロ意識のもと、普段どのような自己管理を行っておられるのか。どのような考えのもとに日々を過ごしておられるのか、その一部を感じ取ることができます。むしろ体作りの項では丁寧に日ごろの運動内容を大胆に公開されています。きっと有名シェフが人気メニューのレシピをまるっと公開するくらいのレベルの大事件です!トップの世界の常識とはここまでの精密さが必要なのか!と驚ろきっぱなしでした。

 

トップモデルの体作りや美肌を維持する方法などに関心のある方は必読。きっと冨永さんは意識高い系どころか意識レベルが私たち一般人とは違うぞ!ということに気づくと思います。学ぶこと、多し!