言語学関係⇒東欧つながりでこの本を。
チェコの作家、チャペック兄弟による園芸の本です。
現在いくつかの翻訳本が出ています。
私は平凡社ライブラリーの書籍の手におさまった感じが好きなのでこちらにしました。そして完全にジャケ買い。イラストがかわいかったんで。
この本はチャペック兄弟がちょこちょこと雑誌などに投稿していたものをまとめたものなんだそうですが、文章を弟(カレル)が担当しイラストを兄ちゃん(ヨゼフ)が担当しています。
左が兄ちゃん、右が弟。
チャペック兄弟は非常に多趣味多才な方で有名だったんだそうです。園芸は二人の趣味のうちの一つでこの作品も息抜きの一つになっていたんだとか。
ところで プラハは北海道よりも北に位置しています。ですがヨーロッパは偏西風とかで温かいのでしょうか、園芸が盛んだとは知りませんでした。しかも1930年代頃に書かれた作品ですので昭和初期ですよ!でてくるお花の名前を見るに洒落たお庭だったんだろうなーと想像しちゃいました。
肝心の内容ですが、まずは庭作りの基礎のお話から始まります。庭作りの精神に加え園芸家の生活がいかに奇妙なものかをとくと説明した後は「園芸家」とはなんぞやの説明があります。ここまでしっかり読んだらば次はそれぞれの月にやるべきこと&園芸家がやりがちなことが説明されています。私はイギリスのガーデナーの番組が大好きでモンティ・ドンの庭作りに憧れているんですね。チャペック兄弟の園芸はモンティの番組の大ファンで庭造りに余念のないイギリスのおじさんのようで、とっても愛嬌があります。きっと当時このエッセイを読んでいたチェコの園芸家さんたちも「あー、わかる!」とかいいながら楽しく読んでいたんでしょうね。
やっぱりプラハは寒いところですから春が来る時の喜び(庭仕事がしたくてうずうず)、冬の寒さ対策(木花の冬囲いがちゃんとできているか心配)の部分は想像つくだけに面白いです。ちょっとおっちょこちょいなんですよね、園芸家さんが(笑)土を触っていると心が落ち着いてくる様子もわかって「やっぱり庭欲しい!」ってなります。
そしてイギリス風芝生を羨むのもヨーロッパの定番です。イギリス人曰く「なあに、芝生を刈りこんで、刈った草を片付けて、雑草抜いて、十分に水を与えてーを300年くらいやれば誰でもできます!」っていうお決まりの回答もありますのでご期待あれ。
巻末に300くらいの植物の名前と登場ページの索引が出てきます。庭の具体的な植物の配置などには触れられていませんが、兄ちゃんのイラストのかわいらしさにほっこりします。
私も来年こそは庭作りに励む予定です。藤棚が欲しい!