Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#250 やっぱりシリーズものは数冊遡って復習してから読むのが楽しい

 『薬屋のひとりごと 10』日向夏 著

猫猫、またもや西都へ!飢饉はどうなる!?

 

こういうライトノベルは1年に1冊くらい続編が出てくれるので嬉しい限りなのだが、コロナ禍があってからというもの時の経つのが早いのか遅いのか、家と会社の往復or在宅勤務を続いて行った間なんて季節感すらわからなくなりつつあったし、在宅勤務中は曜日の感覚すらなくなりつつあった。1年が早かったのか遅かったのかもわからなくなってきて、「〇〇の件っていつだったかな?」と直近の出来事の時間感覚がかなりずれているような瞬間がある。本書も10巻目が出て割と早い段階で購入していたのにも関わらず、最初の数ページを読んでも内容が思い出せない。たしかに1年前の作品で、それほど時間を開けているわけでもないのに、だ。コアな登場人物は覚えているけれど事件を起こした人たちなどはぱっと出てきてぱっと散っていくので名前どころか事件の内容もすっかり忘れている始末。時空が歪んでいるのか、私の感覚がダメになっているのか。

 

ということで、8巻目あたりまで遡り再読してからやっと10巻目に到達。ストーリーを思い出すための復習読書だったけれど、とても楽しく読むことができた。むしろ新鮮に再読できて2度おいしい気分である。

 

舞台は昔の中国を思わせるような設定で、茘(リー)という国の王室が舞台。後宮には王に嫁いだ姫君が住み、侍女たちが働いている。皇帝には歳の離れた弟君がおり、月の君と呼ばれている。月の君は絶世の美形で女性かと思わせるような容姿で、王室の一員として働くことを厭い、一時宦官に変装して政に携わっていた。

 

もう一人の主人公が薬屋である猫猫だ。猫猫(マオマオ)は花街に暮らす薬屋だ。医学に明るい養父の教えに従い、薬師としての腕を磨いている。猫猫の母親は女郎だった。しかし猫猫が幼い時に病を発症してしまい、猫猫は養父の元にあずけられる。

 

そんな猫猫が後宮へ働きにいくことからストーリーはどんどんと面白くなる。もともと聡い猫猫には同じくらいの年頃の子には見えない「世の中の裏」を理解する知恵がある。後宮にはその類の裏の世界が広がっており、猫猫は知恵でもってトラブルを解決してしまう。華麗に対応していく猫猫に目を付けたのが宦官として身分を偽っていた月の君だ。

 

10巻ではすでに月の君は皇帝の弟として政に携わるが、信用できる者として猫猫を側に置きたがる。また猫猫の養父の実家である羅の家もクセがありすぎて面白い。猫猫もまた羅の血を引く人間なのでこれまたキャラが面白すぎる。

 

今、バッタが大量に発生して国の穀物を食い尽くすというトラブルが起きている。10巻ではそれを実際に目にした猫猫と月の君が姿までが書かれている。11巻ではきっとバッタ問題にも何か明るい兆しが見えてくるだろう。

 

漢方的な薬の話も面白いし、読んでいると気持ちに張りが出てくる作品。11巻目も楽しみだ。

 

#249 え?本当に終わり?いやいや、次がありそうだ(と信じたい)

 『居酒屋ぜんや 10』坂井希久子 著

ついにお妙の両親の真相に一歩近づいたか!?

さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや (時代小説文庫)

さらさら鰹茶漬け 居酒屋ぜんや (時代小説文庫)

 

 

楽しみにしていた10巻目が届き、あっという間に読んでしまった。もう10巻目か!と感慨深い。この本は「ハルキ文庫」の時代小説で面白そうなものはないかと書店をぶらぶらしていた時に見つけた本。高田郁さんの「みおつくし」シリーズが面白かったので同じ料理をテーマとした時代ものを探していたのでラッキーな出会いだったと思う。

 

この本も町人で居酒屋ぜんやを営むお妙と、お妙の美貌と料理に惹かれた侍の次男坊である只次郎との恋あり、料理あり、義理人情ありのストーリーで、読み終わるたびにもっと読みたい!と思ってしまうストーリーとなっている。

 

お妙は一人で居酒屋を切り盛りしているのだが、とにかく次から次へとアイデアが湧き、季節のものを昇華させる腕がある。只次郎は今で言うところの美食家だが、やはり料理に敏感な人なのだろう。ただ「うまーい!」ではなく、ぜんやの常連たちはお妙の料理を楽しめるだけの知識と味覚を持っている。なぜおいしいのか、どうしてこの料理なのか。作り手の思いをも当てていくので食べている描写は非常にすがすがしい。

 

今回はまた新しい登場人物がストーリーを盛り上げている。先回、只次郎とお妙が結ばれたことで一気に10巻目で話が進むかと思いきや、お妙がなかなか先へ進ませないでいる。今回登場したのは小さな女の子で母親に育てられているのだが、悲しいことに置き去りにされてしまい、ぜんやで預かることになった。

 

只次郎は本職のうぐいすの鳴き声を指導することの他、商指南も続けている。うぐいすの縁をたどってお妙の両親が命を落とした理由に近寄ろうと苦戦しているところ。これが今後どうなるかも見ものだけれど、やはりハッピーエンドになって欲しいと願わずにはいられない。

 

ところでこの10巻目が最終巻なのだそうだ。いやいや、すんなり終わるような流れではなく、読み終わった後に「次の巻はいつ頃かな」とチェックしてこれが最終巻だと知って驚いた。おそらく続きはでるんだろうなと思うけれど、だれがどんな風に主役として出てくるのかが楽しみになった。というより、終わらないで欲しいのです。もっと読みたい!


 

#248 似ていると思ったらやはりドラマ化なんですね!ドラマも見たい!

『珈琲いかがでしょう 1』コナリミサト

不思議な移動カフェとその店主。 

 

在宅勤務が終わりそろそろ仕事も通常にと思っていたところ、関西では急に感染者数が増えているというニュースが。ちょうど仕事で関西方面の出張を検討していたところだったので、ちょっと心配ではあるのだが準備。そういえばパソコン用のバッグを新調したいとAmazonをチェックしていたところ、この本がおススメとしてぽんとあがってきた。

 

コーヒーがテーマの作品はいろいろあるけれど、これを読んでみようかなと思った理由は1巻はプライムで無料で読めたから。そして表紙を見てもそうだけれど、やっぱり「あの」俳優さんを思い出す。読めば読むほど似てるなと思ってたら、なんとドラマ化されるらしく中村倫也さんがこの主人公を演じられるそうだ。これは似ていたからこその抜擢なのだろうか、それとももともと主人公はこの人!と決めた上での作品なんだろうか。

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ほら、似てるでしょう?ストーリーはなぜかタコの絵のついた移動式のカフェ車に乗っている。ひとつひとつ丁寧に入れることから1杯のコーヒーを淹れるのにとても時間がかかる。チェーン店のようにさっと出てくるわけではないというだけで、香りまでも想像できそうな気がしてくる。

 

このコーヒーを飲むと、なぜか間違った方向に進んでいた人たちが心に力を得て、自分に自信をもって輝きだす。ありがちなストーリーなのだが、ほんわり柔らかな主人公と一風変わったキャラ達のせいかなんとなく読み続けたくなる。

 

コーヒーについてのちょっとした説明もあるが、テーマは「コーヒー」というより「コーヒーを飲んで変身していく人たち」がメインなのでコーヒーマニア向けの作品ではないと思う。とはいえ、コーヒー飲みたくなってくるのでコーヒー本なのかもしれない。

 

ドラマ化、できれば見てみたいな。

#247 瞬間英作文、青の次は緑に挑戦!

 『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』森沢洋介 著

ちょっと長めの文章を3部構成で練習。

 

桜も今週いっぱいかなーと思いつつ、ぼんやりと電車の窓から眺めている。それにしても年々春の到来が早くなっている気がする。都内は3月末週あたりからコートなしでも十分な気温が続き、朝晩でもコートが邪魔になるくらいの日もあった。4月の初週で桜の見ごろもそろそろ終わりだなんて、これも温暖化のなせることなのだろうか。

 

 ところで、英語学習を地味に続けているのだが、なかなか英語を使う出番とならずそろそろ飽きてきそうな感じだったので第2ステップへ進んでみることにした。以前に英語学習のやり方を教えてくれるところ(仮にPとしよう)に通っていた時、もらった本のうちの一つ。この緑のカバーの一つ前のレベルが以前に書いた青い方のようだ。

 

 

「瞬間英作文」シリーズ、他にもいくつかシリーズがあるようだ。Amazonでは青のレビュー数が最も多く、次に緑が多い。Pではこの2冊以外はあまり効果がないとか言っていたような気もする。

 

さて、青と緑の違いだが、緑のほうが圧倒的に難しい。私は合わせてアプリも使って学習しているのだけれど、アプリは日本語が流れ、シンキングタイムがあり、英文が流れる。速度も変更できるので何かと便利に使っている。というより、このアプリあってこその瞬間英作文のような気もする。誰かに問題を出してもらえる環境にあるのであればアプリなくとも独学できるだろうけれど、そうではないという方はアプリはあったほうが良いと思う。

 

 

 青と緑の違いだが、青のほうが文章自体が短い。文章が短いということはシンプルに組み立てられる文章がメインで5文型でほぼ英作文を作ることができる。単語も中学英語で十分だろう。よって日本語通りに訳していけば何の問題もない。語順あたりも配慮されている気がする。

 

一方で緑は青より確実に長めの文章で、文法構造も少しひねりが加えられたものも多い。日本語を聞いて上から順にぱっと作っていけるものではなく、日本語の文章をまるごと理解して英文を作る必要がある。

 

彼女は自分が作ったケーキをトムに食べて欲しかったが、ジョンに食べられてしまった。

Although she wanted Tom to eat the cake (whith/that)she made, it was eaten by John.

 

というような文が緑にはたくさん出てくるのだが、ちょっと長いし登場人物が何人か出てくるし、文章の組み立て時にぱっと作れないものが多い。

 

Pでは、まず一文一文、日本語を音読→英文を10回音読、次の日本語を音読→英文を10回音読、という学習をしてから全体をアプリで確認するようにとアドバイスされた。これ、正直すごく時間がかかるので私はぶっつけ本番でやっている。たいていは片付けをしながらとか、料理しながらとか、20分と時間を決めてスピーカーで流しながらやっている。ただそれをぐるぐる回しているだけだけれども、英語を口に出すことが苦になりにくくなっている気がする。

 

ということで、これはしばらく続けようかな。

#246 アニメのお姫様ではなく現実のお姫様のファッション

 『幸せを引き寄せる キャサリン妃着こなしルール』にしぐち瑞穂 著

英国王室流のセンスとファッション。

 在宅勤務中にセールになっていたことから買った一冊。

 

この頃の英国王室のニュースがあれこれ続いている。やっぱり「ロイヤル」の無い国の人は王室や皇室の存在自体を実在しないおとぎ話的な存在として見ているのね、という思いがより一層強くなった。アジアでは日本のほか、タイ、カンボジアブルネイ、マレーシアなどが挙げられるが、伝統や文化という面でタイの人とは通じるところがあるけれどインドネシアの人とはかみ合わなかったということを経験したことがある。かつては王族が支配していた国は多いけれど、すでに100年以上の時を経てしまいその時代を記憶する人が皆無となるとやっぱり現実としての王室や皇室の感覚とはずれている気がする。下の地図はCNNのものでとても分かりやすい。

 

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一先ず、この間のアメリカでの誤爆とも言えるハリー王子夫妻のインタビューだが、個人的な感想としてプラスの面だけを書き残したい。どちらかというとハリー王子夫妻に対してというよりはウィリアム王子ご夫妻がいらっしゃれば英国民は安泰だな、という思いがより一層高まったということだ。

 

税金が投入されることからどこの国でもロイヤルについて国民の意見は賛否両論だろう。私がロイヤルがあってこそと思うことは、一に伝統文化の維持や継承をロイヤルファミリーが担ってくれているということ。そのおかげで日本は独自の文化を数多く有しているし、中には世界でも認知度の高いものもいくつかある。第二に、政治レベルでも国のトップ(首相や大統領など)レベルでの外交の他にロイヤルという特別な外交手段を持っているということ。お客として外国を迎える時も、ロイヤルによるおもてなしは相手に大きなインパクトとなるだろう。また、ロイヤルが外国を訪問するということで、また特別な国交の絆を作ることができる。第三に、やっぱりなんだかんだいって、国民の意識をまとめる象徴となる場面が多い。ロイヤルが登場する式典はやはり引き締まるものがあるし、特別な意識をもって任務に従事している方も多いと思う。お祝い事があれば国民みんなが喜ぶし、悲しいことがあれば国民みんなで涙する。

 

ディズニーでロイヤルとはこんなもの?と想像し、英国王室の華やかな部分にのみ目を向けていたとすれば、公務と聞いて「は?話違うし。」とアメリカに帰りたくなるのかもしれない。一方で、このコロナ禍で国民に寄り添うウィリアム王子ご夫妻のお姿はとてもとても見ていてさわやかな気分にさせられた。人柄が滲み出ていてほっこりさせられる。キャサリン妃も常に王室をサポートし、彼女が登場するだけでふわっと周りが明るくなるようなイメージを受けた。

 

英国王室のニュースの中でキャサリン妃が登場するとやはりファッションに目がいくわけだが、私はいつもアクセサリーが気になってしまう。ロイヤルでありながらも庶民的なチョイスを取り入れることで有名なキャサリン妃だが、ファーストファッションも上手に取り入れ「これなら買える!」と思える手ごろな金額のものは彼女が身に着けた途端にあっという間に売れていくそうだ。

 

私がキャサリン妃のアクセサリーが気になる理由は、英国製品を愛するキャサリン妃が選ぶものはやはりMade in UKが多く、英国のトレンドを感じることができるからだ。確かに日本の流行のものとは異なり、長く使えそうなものが多い。次回イギリスに行くときは買いに行きたいと思えるデザインが多いので、「今度はどんなのかな」と毎回楽しみになる。

 

キャサリン妃のファッションについては、ウォッチャー的な人が多い様でこの本の著者以上に上手を行く人も多い。例えば、こちらのサイト。


一つ本書の中で気になったワンピースをチェックした。これは2014年のニュージーランドツアーでの1枚なのだが、この時はスカートが膝上の丈なのだが、数年後には膝下の丈にリフォームされていたという。キャサリン妃は非常に物を大切にするタイプな上に、着回しも厭わないとのこと。スカートの丈を伸ばしたのは、膝を隠すためのようと本書にはかかれていたのだけれど、下の写真が出ていた記事により詳細が書かれていた。

 

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それにしてもなんとスタイルの良いことだろう。ただただ憧れるような美しさで、ちぐはぐさが全くない。ダイアナ妃が華やかさならば、キャサリン妃は落ち着きとでもいった感じだろうか。自分にあったスタイルを熟知しているがゆえだとは思うが、服に着られている感もないし、安心感のあるファッションが多い。一方で、ハリー王子のご一家は下着のラインが透けていたり、体にあっていないものも多い。キャサリン妃の場合はプチプラを着ていても高級感があるし、高い物はもちろんゴージャスオーラが広がる。確かに、このような義理姉の横に立つのは辛いことだろうと思う。

 

本書は写真はほぼなく(あっても白黒)、文章で2015年までのキャサリン妃のファッションスタイルを大別化している内容なのでルイ王子が生まれる前の内容となっている。新しい内容が知りたい方や、具体的なブランド名を知りたい方は上のサイトをどうぞ。

#245 春の新生活、部屋を片付けてリフレッシュしたくなりました。(おまけ:私のお気に入り無印良品雑貨)

 『無印良品とはじめるミニマリスト生活』

 無印良品、やっぱり使い勝手が良いわ。

無印良品とはじめるミニマリスト生活
 

 

明日から4月。待ちに待ったという人もおられるだろう。日本は4月が年度初めで新生活がスタートする時期となる。桜に迎えられ、気分も華やかにスタートを切れるというのはなんとも気持ちが良い。

 

4月になったからと言え私の生活になんら変化はないのだけれど、そろそろ衣替えの準備をしなくてはならない。ついでに言えば断捨離も。狭い部屋にどんどんものが溜まり始めている。そもそもこんなに物が溜まってしまったのは、コロナ禍の間にネットショッピングであれこれ買う便利さに気が付いてしまったからなのだが、去年は本当に「買う」というより「狩る」に近い勢いでショッピングしていた。外に出られないことに1mmもストレスを感じていなかったくせになぜこんなにも買い物づいていたのだろうか。おそらく、重いものもさっと家に届く手軽さに開眼してしまったからだろう。

 

まさに狩り。欲しいものはすぐに打つ。クリック一つでなんと便利になったことだろう。とりあえず本だけはKindleで買うようにしているので在庫の増え方が緩やかではあるが、雑貨類、食品類は早々にどうにかしなくてはならない。ということで、久々にこの本を引っ張り出してきた。

 

世の中、ファーストファッションと言えば海外ブランドを含めあれこれ出てくると思うのだが、私は無印良品一択である。なぜなら、毎シーズン新しいものが出ても色合いや風合いが変わらないので手持ちの服と合わせやすいからだ。着心地も良いし(綿が好き)、他のファーストファッションブランドのものより長持ちする気がする。雑貨類も同様で無印良品で揃えると統一感が出るのでお気に入り。キッチン雑貨もかなり好き。

 

著者は無印良品のみならずミニマリストとしても人気の方でインスタなどでも収納技やミニマリストライフを発信しておられる。4人家族で生活しておられるのだが、見事なくらいに目に付くところに物がない。

 

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この間取りを見ても、左下に「何もない」部屋というのがある。このアイデアが素晴らしい。著者は「マルチルーム」と呼んでいるのだが、確かにおうちの中に何もない部屋なら我が家にも、という方はいらっしゃるはず。「客間」として突然のお客様のご対応に使ったり、ストックルームとして押し入れなどをクローゼット化してしてみたり。でも、そういうお部屋はなぜかあまり使われない。特別な時に使うことになっているのでその空間だけ妙に整っていたりするのだけれど、なんとなくそこで昼寝したりくつろいだりということにはなりにくい。でも、マルチルームという認識は空間の利用方法を限定させないので、使用方法に幅がある。

 

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部屋ということではなく、部屋の中の一つの空間でもいいから「マルチ」な場所を作っておかなくてはと思った。

 

実は私の部屋にもそういう空間がかつては存在していた。そこに小さな椅子を置いた。そうするとまわりにどんどんものが集まり、かつては空っぽだった所に今は本やら服やらパソコンやら日用品が山積みされる非常地帯となっている。でも無印の収納を使うようになってからというもの、ちょっとは様子が変わってきた。この調子で物を減らしていかなくては。

 

ところで、無印つながりなのだけれど、個人的に無印の雑貨類でコレを使っていますというものを記しておこうと思う。ひとまず、キッチン編。

 

 

よく使うもの 5位

ボールはLサイズのものを2つ持っていて、同サイズのざると、平ざるを持っている。Lサイズとはシンクいっぱいになるくらいの大きさではなく、20cmくらいの小ぶりなものなので2つくらいなら狭いキッチンでも並べて使えるので重宝している。ボウルやざるは他のブランドのものもいくか使っているけれど、あると便利。

 

よく使うもの 4位

マグネット式なので、キッチンの壁にペタッとくっつけて使っている。冷蔵庫にもきっとくっつくと思うのでぜひ。とにかくタイマーはお米を炊くにも、パスタを茹でるにも、煮物をするにもなくてはならない相棒。「スマホのタイマーで十分」という方もおられるが、キッチンタイマーの便利さはスマホのはるか上を行くと思う。

 

よく使うもの 3位

これ、お風呂用なのだけれど私はキッチンで使っている。キッチン用のものより一回り大きく、ちょっとかため。かためのものはこびりついてしまったものなどもさっと洗い流せるし、大きさもあってか皿洗いが時短で済む。上部に穴が開いているのでS字フックを使って水切りしやすいようにセットしている。白いスポンジ、キッチン用にはなかなかないのだけれど、これはおすすめ。汚れたタイミングもわかりやすいので多分当分これ以外のものは使う気にならないと思う。

 

よく使うもの 2位

油ものを作った時、お皿や鍋類の油を落とすのに便利。白いスポンジを使っているので、トマトソースやカレーなんかもまずはこれできれいに落としてからスポンジで洗うようにしている。(色がスポンジに移らないように)これを使うようになってから、キッチンペーパーや紙ナプキンで汚れを落とすという作業が無くなったのも大きなプラス。

 

よく使うもの 1位

今2本持っているのだけれど、もう1本欲しいくらいに毎日使っている。シリコン製なのできれいに容器の中身を取り出すことができる。調味料はすべてこれで取るので、いつしか分量の目安としての役割も増えてきている。ちょっとして味見、炒め物にも便利だし、バターもジャムもこれでぬる。

 

 

#244 春と秋のお楽しみといえば、コレ

 『本所おけら長屋 16』畠山健二 著

 万松、今宵も大活躍。

本所おけら長屋(十六) (PHP文芸文庫)

本所おけら長屋(十六) (PHP文芸文庫)

 

 

数年前の話になるが時代小説が好きになり、書店でPHP文芸文庫の中からいくつか見繕って購入した。その中の一つが本書で、1巻目のあまりの面白さにその時出ていた作品すべて購入して以来、次作はいつかいつかと待ちわびている。

 

本書は義理人情、笑いあり涙ありがすべて入った豪華な時代小説だ。舞台は江戸、深川で「長屋」という集合住宅に住む人たちの日々のドラマが描かれている。長屋というのはもともと庶民の暮らす集合住宅で、井戸の両端に向い合せに平屋が立ったもの。建物はいくつかの間取りに区切られ、各世帯が生活している。このおけら長屋はとにかく人情と馬鹿で有名で、馬鹿を背負うのは万松という二人組だ。

 

16巻でも万松は健在で、とにかく会話が面白すぎる。まるで落語を聞いているかのようなようで、切り返しがウィットに富んでいる上にテンポも良い。なのでついつい引き込まれて丸め込まれる江戸の人々に「それは仕方ないねえ。だって万松だもの。」と同情したくなる。

 

この頃はこの万松にも色恋の話が出てきており、そこがまたなぜか笑いを誘うのだが、真摯で裏の無い登場人物の心にいつもほろりとしてしまう。今回の作品は「女性」の存在が大きな鍵となっている。女性の強さ、弱さ、したたかさが男を走らせるような内容だ。

 

そう言えば14巻までは文庫版を購入していたのだけれど、コロナの折、買いに行くことがなかなかできずで15巻よりKindle版を購入している。全く問題なくいつも通りに笑えるのでこのままKindle版で買い続けようかと思う。

 

それにしてもこれほど満足できる読了感を与えてくれる作品はそうない。今回もたくさん笑ってスッキリした。